“同期の絆”で中山金杯を勝った藤岡佑介騎手 今年の目標は「一年けがなく、事故のないように」

アルナシームで中山金杯を制した藤岡佑介騎手(カメラ・高橋 由二)
アルナシームで中山金杯を制した藤岡佑介騎手(カメラ・高橋 由二)

 ゴールの瞬間、自然と左手が上がった。1月5日の中山金杯・G3でアルナシーム(牡6歳、栗東・橋口慎介厩舎、父モーリス)とともに重賞Vを決めた藤岡佑介騎手=栗東・フリー=。アルナシームを担当する橋口厩舎の五十嵐公司調教助手は、藤岡佑騎手がデビューした時の師匠である、作田誠二厩舎(2020年春に定年解散)のスタッフだった。しかも二人は年齢は違えど、競馬学校で一緒の期間を過ごした言わば“同期”という、深い縁があるのだ。

 アルナシームの騎乗依頼を受けた当初は「かかるところがあって、乗り難しそうな馬というイメージでした」と藤岡佑騎手。しかし、調教で初コンタクトを取った時からスムーズに折り合い、息の合ったところを見せていた。マイルCSは11着に敗れたが、「距離を延ばした方がいいと、いいタイミングだと思って進言させていただきました」と2000メートルへの参戦を後押しした。

 そして迎えた中山金杯を58キロのハンデで完勝。「かかる雰囲気もなかったですし、体もしっかりとしていました。ハンデも背負っていたなかで、強い競馬でした」。検量室前に引き上げてくると、五十嵐助手と力強く握手をかわした。「表彰式で五十嵐さんに『佑介と重賞を勝つなんて、思ってもいなかったよ』と声をかけられて。勝って良かったと思いました」と喜びもひとしお。「作田厩舎のスタッフは今はバラバラですけど、これからもみんなで頑張っているところを見せられたら。先生も元気ですし、喜んでくれると思います」と穏やかな笑顔で話した。

 2025年の開幕重賞を制し、好スタート。今年の目標を聞くと、「一年けがなく、事故のないように。任せてもらった馬を、より良い競走生活が送れるようにと思って、乗っていきたいです」と話してくれた。アルナシームの春の最大目標は大阪杯・G1(4月6日、阪神)。「本格化してきた感じですし、中山金杯のような立ち回りができればチャンスはあります」。同期の仕上げ人とともにG1戦線に挑んでいくのが楽しみだ。(中央競馬担当・山下 優)

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