【ドバイWCデー】矢作調教師が3本の矢を語る〈2〉 シンエンペラーの中東遠征は「今回が本番」 秋は国内に照準

シンエンペラー
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 ドバイ・ワールドCデーの諸競走が4月5日、メイダン競馬場で行われる。今年は日本馬が大挙参戦するなかで、特に注目を集めるのが日本人トレーナー最多の海外重賞16勝を誇る「世界のYAHAGI」こと矢作芳人調教師=栗東=。今回はドバイ・ワールドC(ダート2000メートル)のフォーエバーヤング(牡4歳、父リアルスティール)、ドバイ・シーマクラシック(芝2410メートル)のシンエンペラー(牡4歳、父シユーニ)、ドバイ・ゴールデンシャヒーン(ダート1200メートル)のアメリカンステージ(牡3歳、父イントゥミスチーフ)と強力な3頭を送り出す。

 ここだけを見ていた。矢作調教師はシンエンペラーの中東遠征について、昨年末から「ドバイが大目標」と公言。叩き台とも言えるサウジアラビアのネオムターフCを楽に逃げ切り、海外重賞初制覇という最高の形でターゲットにしている大一番へ駒を進めてきた。

 「楽勝でしたね。メンバー的なことを考えても、計算通りに勝ってくれたなという感じです。ただ、今回が本番。賞金も格も、何よりメンバーも違う。芝2400メートルというのは世界のトップレースが多く行われる条件ですからね」

 経験値が豊富なスタッフによって、さらに一段上げるための調整を続けている。海外では慣れない環境で落ち着かせることに主眼を置くことが多いが、矢作厩舎が心がけるのは栗東で行うような普段通りの調整だ。

 「楽な競馬だったから、全く疲れがなかった。相手が強くなる今回へ大丈夫かなと思ったけど、スタッフは疲れがなくて良かったと喜んでいる(笑)。落ち着きすぎないように2週前に併せ馬を行い、1週前には他の2頭と3頭併せ。うちの馬で3頭併せできるというのは、何よりいいですよね」

 3頭で遠征している層の厚さがあるからこそ、微妙なさじ加減も可能な質の高い調教ができる。そして、妥協なき仕上げで臨む大一番は今後を見据える大きな試金石にもなる。

 「今のところ、今年は個人的にジャパンCを一番の目標に考えています。凱旋門賞ではないですね。そこまでの過程で、どういう風に持っていくのか、このレースで見えてくると思います」

 昨秋から全兄のソットサスが勝った凱旋門賞など海外に積極的に遠征してきたが、現時点で秋は国内にターゲットを定める方針だ。だからこそ欲しい、海外のビッグタイトル。厩舎力で磨いてきた高い資質を開花させる時が来た。(取材・構成 山本 武志)

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