【有馬記念】福永祐一、8大競走完全制覇へ最後の挑戦 ボルドグフーシュに「時計、動きとも満足しています」

躍動したボルドグフーシュに鞍上の福永も手応え
躍動したボルドグフーシュに鞍上の福永も手応え

◆有馬記念追い切り(12月21日、栗東トレセン)

 偉業達成へ、福永祐一騎手(46)=栗東・フリー=が一歩前進した。コンビを組むボルドグフーシュが、自ら騎乗した坂路で単走ながら上積み十分の動き。地力強化の菊花賞2着馬が勝てば、史上4人目の8大競走完全制覇だ。調教師に転身するため来年2月末で引退するとあって、今回は最後の有馬記念。メークドラマがあるか。

 余計なことは何もしない。福永はただ、ボルドグフーシュを気持ちよく走らせることだけを考えていた。栗東・坂路での単走は全く手綱を動かすことがなかったが、弾むように駆け上がる姿から伝わる確かな躍動感。最後までスピードに乗った状態で右肩上がりのラップを刻む。時計は55秒0―12秒4だが、状態の良さが十分に伝わる走りに「馬なりで疲れを残さない形でいいんじゃないかという話になりました。時計、動きともに指示通りで満足しています」と納得の表情で振り返った。

 精力的に動き回った。騎手最後となる有馬ウィークの追い切り日。朝一番はホープフルSの有力馬、ファントムシーフに騎乗した。栗東・CWコースでプロトポロス(2歳1勝クラス)を内から2馬身半追走し、6ハロン87秒4―11秒1で4馬身半先着。「非常にいい動き。高い能力を持っている馬です」と仕上がりの良さを感じ取ると、その3時間後には交流G1の東京大賞典(29日、大井)でコンビを組むグロリアムンディの追い切りに騎乗。多くの時間を馬上に費やした。

 有馬記念とホープフルS、東京大賞典の年末3G1にフル参戦。「ありがたいことやね。やめるって分かっているのに」と笑うが、27年間で積み重ねてきた信頼と実績があればこそだ。先週は自身の最長記録を更新する13年連続の年間100勝を達成し、今週はグランプリ初Vへ。勝てば、史上4人目の8大競走完全制覇の偉業も成し遂げる。

 「どのレースに乗るにしても、今回が最後だなというセンチメンタルな気分は少し入りますが、とはいえ、やるべきことは変わりない。力を最大限に引き出せるように頑張りたい」。暮れの中山で、記録よりも記憶に残る走りを刻み込む。(山本 武志)

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