◆第73回東京新聞杯・G3(2月5日、東京・芝1600メートル)
第73回東京新聞杯・G3(5日、東京)は、半年ぶりの前走を勝ったインダストリアが明け4歳初戦で重賞初Vへ4度目の挑戦だ。血統企画「母を訪ねて」で成長力を秘めた母系をチェック。今年の飛躍が期待できそうだ。
前走のカウントダウンSを勝ってオープン入りし、重賞初制覇を狙うインダストリアは、優れた成長力を秘めた血統から明け4歳を迎えて飛躍が期待される。3歳の年明け初戦だったジュニアCを制するなど、早い時期から素質の片りんを見せていたが、さらにもう一段上のパフォーマンスを発揮できるとみる。
母インダクティ(父ハーツクライ)は現役時代、芝の1500メートルと2000メートルで2勝をマーク。馬体重400キロ前後と馬格に恵まれず大成はできなかったが、繁殖牝馬にふさわしい優秀な遺伝子を宿していた。その半兄で伯父バランスオブゲームは、新潟2歳Sで重賞初勝利を挙げ、G1のタイトルにこそ手が届かなかったが、05、06年の中山記念を連覇するなど重賞7勝をマーク。芝の中距離路線で息の長い活躍をみせた。
また叔父のフェイムゲームも、3歳の1月に京成杯で重賞初制覇を飾り、8歳になってもダイヤモンドSを制するなど主に芝の長距離路線で重賞6勝と衰え知らずの成長力を誇った。母も含めて3頭を管理した宗像調教師は「(母は)小柄な牝馬だったが、根性というか悍性(かんせい)が強かった。(気性的に)牝馬よりも男馬の方が良かったのかもしれないが、血統的な良さはあった」と、素質を認めている。
本馬の半兄ケイデンスコールは、新潟2歳Sや読売マイラーズCなどマイル重賞3勝をマーク。父がリオンディーズに替わり、サンデーサイレンスの「4×3」のクロスを持ったことで、さらに爆発力に磨きがかかった印象だ。「戸崎騎手も、馬のリズム重視でいけば、絶対に府中でもはじけると言ってくれています」と宮田調教師。古馬になって、さらにパフォーマンスを上げるタイプが多く、本格化の時が来たと期待したい。(坂本 達洋)