◆フェブラリーS追い切り(16日、栗東トレセン)
今年のJRA・G1開幕戦、第40回フェブラリーS(19日、東京)の出走馬が16日、確定した。栗東では福永がオーヴェルニュのCWコースでの追い切りにまたがり、自身の国内ラストG1へ意気込み十分。17日に枠順が決まる。
初心を忘れることなく、国内最後の大舞台に臨む。福永は開門直後の栗東・CWコースでオーヴェルニュの追い切りに騎乗。単走で前半をゆったり入り、直線は馬の気分を優先させながら徐々に加速させ、素軽いフットワークを保ったままゴールを通過した。
6ハロン83秒7(5ハロン66秒6)―11秒7。9日に続いて感触を確かめた鞍上は「余力があるなかで、いい追い切りができた。オーバーワークだけは避けたかったんでね。息の入りも良かった。状態に関して言うことはない」と万全の仕上がりを強調した。
この日は96年3月のデビューから06年2月に解散するまで所属した、北橋修二厩舎のジャンパーを着て登場した。「(自宅から)引っ張り出してきた。奥の方に、いい状態であったわ」と笑みを浮かべ、「ジョッキーとしてトレセンで乗るのは今日が最後。自分の騎手人生はこの調教服で始まったので、この服で締めようと」と思いを明かした。
パートナーとは過去に5度、1800~2000メートルでコンビを組み、一昨年の平安SでレコードVに導いた。1600メートルは一昨年のフェブラリーS(13着)以来。大敗の理由は輸送による大幅な馬体減(前走比16キロ減)と明らかになっている。「馬が大人になって輸送にも慣れてきている。スピードがあるから、距離は延びるよりも短くなる方がいい。成績が安定しないタイプで人気になりにくいけど衰えは感じないし、G1でもやれると思っている」と力を込めた。
サウジアラビアで予定する25日のラストライドまで秒読みとなった。「一番いい結果に結びつけられるように、しっかり乗りたい」とユーイチ。冷静な口調で国内最後のG1での完全燃焼を誓った。(吉村 達)