◆大阪杯追い切り(29日、栗東トレセン)
第67回大阪杯・G1(4月2日、阪神)の追い切りが29日、東西トレセンで行われた。ヴェルトライゼンデは栗東・坂路の併せ馬。好走パターンを踏襲してしっかり負荷をかけられ、万全の態勢を整えた。
首を大きく使ったフォームから確かな推進力が伝わった。ヴェルトライゼンデは当週も攻めてきた。栗東・坂路でシルキーヴォイス(5歳3勝クラス)を3馬身追走。ラスト1ハロンからは手綱を動かしつつ、しっかり加速を促すと、500キロ近い雄大な黒鹿毛の馬体は徐々に僚馬に迫り、最後は馬体を並べた状態で併入した。
時計も52秒8―12秒1と申し分ない。池江調教師は「当該週もしっかり強めの負荷をかけた方が成績が出ています。手加減するよりは負荷をかけてほしいとジョッキーには伝えました。力を出せる状態です」と意図を説明。確かに快勝した前走の日経新春杯でも当週に坂路で51秒0と好時計を出している。好走パターンを踏まえたうえで、3馬身追走する併せ馬というメニューを選択した。
自ら手がけた父のドリームジャーニーはまだG2だった09年のこのレースで復活の勝利を挙げた。その弟で、3冠馬のオルフェーヴルも13年に快勝。17年にG1昇格後も19年に勝ったアルアインなど【1114】と好成績を残す。思い出のたっぷり詰まったレースだ。「相性がいいとは思っていますが、走ってみないと何とも言えないです」と池江調教師は慎重に言葉を選びつつ、史上3組目となる父子制覇を見据える。
鞍上は先週のドバイ・ワールドCでウシュバテソーロを勝利へ導いた川田だ。「ウシュバテソーロが頑張ってくれたおかげで、色々な方からおめでとうと言っていただいています」。デビュー戦V以来、実に3年半ぶりのコンビへ向け、この日もコンタクトを取り、確かな手応えをつかんでいる。「2歳の時も背中のいい馬。ここに挑戦するにふさわしい馬だという成長ぶりです」。万全の仕上げに心強い鞍上を迎え、悲願のG1タイトルをつかみ取る。(山本 武志)