【皐月賞】2戦2勝ソールオリエンス、手塚貴久調教師はG1・3勝フィエールマン級と能力絶賛

陣営の期待が大きいソールオリエンス(馬上は横山武)
陣営の期待が大きいソールオリエンス(馬上は横山武)

◆第83回皐月賞・G1(4月16日、中山競馬場・芝2000メートル)

 大混戦ムードの第83回皐月賞・G1(16日、中山)は、底知れぬ魅力を秘めた無敗馬3頭がエントリー。陣営がG13勝のフィエールマン級と絶賛するソールオリエンスは2戦2勝で同舞台の京成杯をV。息の長い末脚を武器に、史上20頭目の無敗V、1946年以降では最少キャリアVを成し遂げるか。

 日に日に期待は高まっている。デビュー2連勝で京成杯を制して、無敗&史上最少キャリアでのG1初制覇がかかるソールオリエンスは、大物感たっぷりの逸材だ。この中間も調教で追うごとに動きの良さを見せて、手塚調教師は「うちの歴代を見ても、フィエールマンとかと比べていいレベル。やはり能力は上」と、19、20年の天皇賞・春連覇などのG13勝馬を引き合いに褒めちぎる。

 トレーナーの気持ちを高ぶらせるのは、その非凡な走り方にある。前走は3コーナーから逆手前で走っていたため4コーナーで外に膨れてしまったが、直線では抜群の切れ味を披露。2馬身半差で後続を寄せつけなかった脚は、名馬の記憶と重なった。「速い脚が長く続くのはなかなかない。“シュッ”と一瞬切れる馬はいるけど、“シュー”っといける。うちで言うとフィエールマンがそうだったし、瞬発力があって、それが続く」と、G1級の確信を深める。

 まだキャリアは2戦だが、京成杯を勝って十分に賞金を加算して直行で向かえるのは好材料だ。近年では結果が出ていないステップだが、まだ緩さが目立つ現状とあって、無理をせずに間隔を空けられることは吉と出るだろう。手塚師は「前走で結果を出せたから、このローテで使える。ダービーまで考えてますからね」と、その先の頂上決戦を見据えて歓迎するほどだ。同じキタサンブラック産駒のイクイノックスは、昨秋は天皇賞、有馬記念を連勝して年度代表馬に輝いたが、同じくキャリア2戦で挑んだ春2冠は連続2着だっただけに、“イクイ超え”の期待もかかる。

 群雄割拠の混戦ムードが漂う今年の皐月賞で、この馬自身の上積みが大きいのは確か。勝負どころで膨れた前走の教訓を生かして、今回は制御が利きやすくなるリングハミに換える。「前回より馬は良くなっている。これまで2戦ともスローペースだったが(対応は)大丈夫だと思う。時計はかなり詰まると思う」と指揮官。その口ぶりからは期待の大きさがヒシヒシと伝わってくる。主役にふさわしい風格を持っている。(坂本 達洋)

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