JRAは6月26日、大阪市内で定例会見を開き、競馬開催中にスマートフォンを不適切に使用したとして若手騎手6人が30日間の騎乗停止処分を受けた問題について改めて陳謝し、再発防止策を発表した。今後は例外なく、宿泊場所の自室に入る前にスマートフォンを預けるよう義務づける。
今回の処分は若手騎手が騎乗予定馬の過去のレース映像をチェックするため、競馬場の控え室でスマートフォンを使用したことが発端となった。騎手の宿泊場所となる調整ルームの自室では、あらかじめダウンロードした動画であればスマホでの閲覧が可能だったが、今後は競馬場への持ち込みを防ぐため、自室入室前の預け入れを徹底する。
会見した菊田淳理事は「競馬場では一切使わせない。我々が(過去のレース映像を)見られる環境の整備を進めていきたい。調整ルームやジョッキールーム(控え室)で見られる形にしたい」と説明。レース映像閲覧のため騎手にはJRA側が専用タブレット等を用意し、騎手の手伝いをするバレットや外国人騎手の通訳が検量室でスマートフォンなどを用いて映像を見せる行為も禁止とする。
問題発覚後、JRAは6人以外の全騎手にも聞き取りを実施。違反者はいなかったが、事態を重くみた日本騎手クラブは総会を開き、武豊会長からは厳しい叱責の言葉が出たという。JRAは全騎手に注意喚起の文書を出し、違反した6人については東京都内のJRA本部に呼び出し、「一人一人、再教育」(菊田理事)を行ったという。