オークス、宝塚記念の3連単万馬券的中で九死に一生を得たのか。春に続いての再登板となりました。日曜日に登場となった秋はスタートからバッシバシ当てていきます。最後までお付き合いくださいませ。
過去5年で前半600メートル32秒台の激流が3度。要因はそのコース形態にある。中山の芝1200メートルはスタートから直線なかばまでの約1000メートルが途中に平坦な部分を挟みつつ、基本がずっと下り坂。ペースの緩みようがない高速誘発設計なのだ。
しかも、今年は徹底先行のテイエムスパーダ、ジャスパークローネが出走。この2頭に春の葵Sで超速スタートを決めたモズメイメイもいる。この3頭が主導権争いを演じた北九州記念は前半600メートルが32秒9。先手を奪ったジャスパークローネが勝ったが、他の2頭は大敗した。今回も同馬の逃げとみるが、引いたら終了の2頭が絡めば、前半が32秒5前後の大激流まであり得る。
前走ラスト600メートル驚異の32秒4
前走のセントウルSの内容が絶品だったアグリが本命。後方追走から直線なかばで外に切り替えながら、減速することなく伸び切り、2着まで差を詰めた走りは春からの確実なスケールアップを感じさせた。力強い末脚で刻んだラスト600メートル32秒4は2000年以降の阪神芝1200メートルで最速タイ(当時)の数字だった。
ちょうど去年の今ごろに1勝クラスを勝ち上がったばかり。そこから連勝を積み重ね、阪急杯では一気に重賞の壁も突破した。父は数々の名馬を知るエイダン・オブライエン調教師が現役時代に「一級品のスピードスキル」と絶賛したカラヴァッジオ。その血を継ぐ逸材が驚くべき急成長を遂げた。序盤からの速い流れで先団が潰れ、大勢が一変するであろう高低差2・2メートルの急坂をパワフルに駆け上がるシーンが思い浮かぶ。
1番枠を引いたナムラクレアは内で進路がなくなる可能性と、枠を生かした最高の立ち回りで運べる可能性が半々。近走の充実ぶりは他の追随を許していないだけに、器用にさばけば勝機が見えてくる。馬券は確実に複勝1点買いとするが、馬連&3連単(9)―(1)(6)(10)(3)(4)(15)(7)は買いたい。(大上 賢一郎)
中2週も順調
〇…アグリは9時に栗東トレセンを出発すると、約6時間半で輸送を終え、15時24分に決戦の地に到着した。セントウルSから中2週と間隔が詰まっているが、「問題なくいつもと変わらない感じで輸送をクリアしてくれました。思ったほどダメージはなくここまで順調です」と臼井助手。管理する安田隆調教師は定年が来年2月末に迫っており、「先生も最後なので花を添えたい」と力を込めた。