【マイルCS】ルメールを背に京都競馬場の直線を豪脚全開で突き抜ける…大上賢一郎の見解

3度目のマイルチャンピオンシップ挑戦で初制覇を狙うシュネルマイスター
3度目のマイルチャンピオンシップ挑戦で初制覇を狙うシュネルマイスター

 【京都11R・マイルチャンピオンシップ】今秋は本紙・吉村記者とともに秋華賞からG1を4連勝。どんどん伸ばしていきたいが、原動力になっているのが、勢いに乗るルメールだ。

 先週のエリザベス女王杯は、派手に出遅れたジェラルディーナの陰で、最内のブレイディヴェーグもジャンプスタートでゲートを出た後、内へ逃避した。しかし、そこからの立て直しがすごかった。すぐさまダッシュを利かせ、隣の枠のルージュエヴァイユ(2着)がインを締めてくる直前に馬体を差し込み、前に出た。

 このわずか10秒のワンプレーがゴールでの「3/4馬身差」の決め手だったように思う。これで新装・京都競馬場で行われたG1は、ハーパーで3着だった秋華賞を除き4戦3勝。大外枠のドゥレッツァ(菊花賞)でも、1番枠のブレイディヴェーグでも、気づけば4角で内の絶好位に収まっている手綱さばきは、いつも以上にさえわたっている。

 シュネルマイスターが本命。4月の京都開幕週の読売マイラーズカップでは前残りの馬場を後方から大外一気の差し切り勝ち。その時が15頭立ての10番枠、今回も中ほどの9番枠を引き当てただけにレースも同じイメージで運びそうだ。それだけではない。茨城・美浦トレーニングセンターで1週前追い切りを終えた後、早めに滋賀・栗東に移動して最終追いのプロセスも、最高の結果が出た春を踏襲する形。実戦、臨戦ともにパーフェクトな予行演習を済ませている点は、ライバルにない大きなアドバンテージといえる。

 前走の毎日王冠は、直線で前が塞がり、大外に切り替えた後、“瞬間移動”の鋭脚で鼻+鼻差の3着まで追い上げた。上がり600メートルNO1のアドマイヤハダル(4着)をゴール前で差し切ったにもかかわらず、自身の上がりがメンバー3位という不思議なラップが、ロスの大きさを物語っている。ただ追い出してからの反応の速さも見せつけた、収穫が多い一戦だった。

 阪神開催の一昨年(2着)、昨年(5着)と比べ、下り坂を使ってスパートできる淀のマイルは合っているうえ、過去2年と違い、この後、海外遠征の予定はなく、いわゆるメイチの勝負。三度目の正直に懸ける陣営の覚悟がヒシヒシと伝わってくる。

 相手はCコース替わりで、内めを立ち回れそうなソウルラッシュ、エルトンバローズ、ジャスティンカフェを厚めに。馬連(9)―(1)(7)(5)(11)(12)(16)(8)。(大上 賢一郎)

「もう一段階攻めた」追い切り後も順調
○…シュネルマイスターは18日、栗東トレセンのCWコースで最終調整。1200メートルをゆったりとキャンターで駆け抜けた。前日まで乗り込めるように、読売マイラーズC・G2以来2度目の栗東滞在を選択。名畑助手は「追い切った後も順調に来られています。G1になるので、もう一段階、攻めた調教をしているつもり」と力を込めた。

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