◆第98回中山記念・G2(2月25日、中山競馬場・芝1800メートル)
昨年の皐月賞馬が復権へ虎視たんたんだ。前走の有馬記念8着から巻き返しを目指すソールオリエンスが、第98回中山記念・G2(25日、中山=1着馬に大阪杯の優先出走権)で、“勝負の年”の始動戦を迎える。暮れの大一番は初対決だった古馬勢との壁にぶつかり、デビュー以来初めて馬券圏内を外した。手塚調教師は「(最内)枠がきつかったし、あれがいい経験になった。次につながってくれれば。本質的には1800、2000メートルの方がいいと思う」と、逆襲へ闘志を燃やしている。
もともと陣営は3歳時から、本格化は古馬になってからと見ていた。着実な心身の成長は、動きや雰囲気にも表れている。初コンビとなる田辺が騎乗した1週前追い切りは、美浦・Wコースで外フロムナウオン(4歳1勝クラス)を2馬身半追走する形から、ゴール前で仕掛けて6ハロン81秒7―11秒5で1馬身半先着と滑らかな加速が目を引いた。指揮官は「馬体重は変わりないけど、ムキになっていなくて、穏やかな調教ができてよかった」と納得の様子だった。
テン乗りとなる鞍上は、実はデビュー前の追い切りにまたがっていた。直前の負傷により実戦での騎乗はかなわなかったが、田辺は「使われつつ年を重ねて乗りやすくなっています。感覚的にはもっと余力が欲しかったが、フットワークはさすがによかった」とうなり、G1馬の素質を感じ取った。
中山コースは昨年の皐月賞、京成杯で勝ち、セントライト記念でも2着に好走している実績のある舞台だ。手塚師は「二の脚のないタイプで、ああいう(後ろからの)形になるので、外をまくる競馬になるのがどうか」とポイントを指摘しつつ、「今後に向けていい結果を出せれば」と力を込める。視線の先には大阪杯(3月31日、阪神)などの大舞台を見据えており、ひと皮むけた姿を見せたい。(坂本 達洋)