第38回ファルコンS・G3が16日、中京競馬場で行われ、7番人気のダノンマッキンリーが差し切って重賞初勝利。初コンビの北村友一騎手(37)=栗東・フリー=は3年1か月ぶりの重賞Vとなった。
尾張の直線を一閃した。ダノンマッキンリーは4角14番手で直線に向き、電光石火の加速。大外から他馬を一気にのみ込み、逃げたオーキッドロマンスを半馬身差で差し切った。22年のセレクトセールで2億2000万円の値がついた素質馬が重賞初制覇。北村友は「折り合いがついたことで、最後に切れる脚が使えた」とたたえた。
北村友は、22年6月に実戦復帰して以来初の重賞V。21年5月の落馬で背骨が8本も折れる大けがを負ったが、懸命なリハビリを重ねてターフに戻ってきた。ダノンマッキンリーにも調教から携わり、折り合いの難しさを把握。「うまく折り合って運べて、しっかり力を出し切れた」と相棒の素質を発揮させた。
藤原調教師は「(前走から)短期間だけど、成長を感じていた。落ち着きが出ていた」と目を細めた。NHKマイルC(5月5日、東京)については「オーナーと相談して決めます」と明言しなかったが、G1へ大きく弾みがついた。驚異的な爆発力を武器に、躍進を続けていく。(水納 愛美)
ダノンマッキンリー 父モーリス、母ホームカミングクイーン(父ホーリーローマンエンペラー)。栗東・藤原英昭厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は5戦3勝。重賞初制覇。総獲得賞金は6168万4000円。馬主は(株)ダノックス。