◆第84回皐月賞・G1(4月14日、中山・芝2000メートル)
3冠第1戦、第84回皐月賞・G1(14日、中山)の「考察」血統編は、父の勢いが止まらないビザンチンドリームを母系からも掘り下げた。
馬トクスタッフの評価は、シンエンペラーが「G」。20年の凱旋門賞馬ソットサスの全弟という世界的な良血だ。「A」評価も中距離で実績を残している種牡馬の産駒が多く、皐月賞馬アルアインの初年度産駒のコスモキュランダなども気になっている。
だが、今年に関しては、勢いが違うと言わざるを得ない種牡馬がいる。エピファネイアだ。先週の桜花賞を制したステレンボッシュをはじめ、産駒は今年重賞6勝。3歳世代に限っても4勝はお見事だ。種牡馬戦国時代と言われるなか、どちらも2位のキズナに1勝差をつけトップに立っている。
今年はダノンデサイルとビザンチンドリームの2頭だが、すでに日本で多くの活躍馬を送り出しているビザンチンドリームの母系は優秀だ。3代母フサイチエアデールは、99年のシンザン記念など重賞4勝を挙げて、その子には05年の朝日杯FSを制したフサイチリシャールや05年のクイーンCを勝ったライラプスなど、早い時期から活躍した大物がいる。
母ジャポニカーラは芝のマイル~芝2600メートルで3勝を挙げたのみだが、その父は01年の日本ダービー馬ジャングルポケットでタフさや中長距離向きの適性を伝えていそう。父は21年の皐月賞馬エフフォーリアを送り出すなど同年以降の中山・芝2000メートルの産駒勝利数はハーツクライ(17勝)に継ぐ2位の12勝。両親から申し分のない能力を受け継ぎ、勢いも十分だ。(坂本 達洋)