【こちら日高支局です・古谷剛彦】キズナ産駒5頭出し日本ダービー最大のチャンス

 「ダービー馬は、ダービー馬から」。使い古された文言だが、シンボリルドルフ→トウカイテイオーがともに無敗でダービー馬となった時、その言葉の重みを感じた。その後、タニノギムレットからウオッカ、ネオユニヴァースからロジユニヴァース、キングカメハメハからドゥラメンテとレイデオロ。そして、ディープインパクト産駒は2世代目のディープブリランテに始まり、キズナ、マカヒキ、ワグネリアン、ロジャーバローズ、コントレイル、シャフリヤールの7頭がダービー馬となった。サンデーサイレンスの初年度産駒からタヤスツヨシがダービー馬となり、日本の競馬に革命を起こした。サンデーサイレンスの父系は、ハーツクライとステイゴールドからもダービー馬が誕生。その枝葉は、どんどん伸び続けている。

 80代ダービー馬のキズナは、リーディングサイアー争いで、2位ロードカナロアに約1億4千万円上回り、首位に立つ。キズナ産駒のダービー出走は、皐月賞を無敗で制したジャスティンミラノを筆頭に、スプリングSから異例の直行となるシックスペンス、京都新聞杯で重賞制覇をかなえたジューンテイク、青葉賞2着で権利をつかんだショウナンラプンタ、若駒Sを制したサンライズジパングと、今年の産駒最多となる5頭が出走する。

 3歳馬は5世代目だが、初年度の182頭に次ぐ、168頭の血統登録があった。1つ上の世代に比べれば61頭も増えたが、早い時期にキメラヴェリテとアブレイズが重賞を制したタイミングもあったが、前年より種付け料が250万円アップの600万円になった時に種付け頭数が増え、繁殖牝馬のレベルもかなり上がった。先週のオークスでも、3着ライトバック、4着クイーンズウォークと2頭が入着を果たし、南関東でも桜花賞を制したプリンセスアリーがいるなど、この世代は評判通りのハイレベルだ。2歳世代のレベルも高く、ディープインパクト最良の後継に名乗りを上げるためにも、ダービー馬を送り出す最大のチャンスを射止めたい。ローテーションでは不利と言われる青葉賞組だが、2着に追い込んだ末脚に魅力を感じるショウナンラプタンは、先行したホープフルSで7着に敗れた後、末脚勝負に徹して出走権を得た。驚異的なタイムとなった皐月賞組のレベルが高いのは百も承知だが、ダービーの切符を懸けた争いも厳しいものがあった。後傾ラップをアタマ差2着まで迫ったショウナンラプンタに一票を投じたい。(競馬ライター)

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