◆第37回マイルCS南部杯・Jpn1(10月14日、盛岡競馬場・ダート1600メートル、良)
第37回マイルチャンピオンシップ南部杯・Jpn1が14日、盛岡のダート1600メートルで15頭(JRA6、岩手6、他地区3)で行われ、単勝1・1倍の圧倒的な支持を集めたレモンポップ(坂井)が逃げ切り連覇を達成。前走のさきたま杯に続くG1級5勝目を挙げた。2着にペプチドナイル、3着にキタノヴィジョンとJRA勢が上位を独占した。
昨年のJRA最優秀ダートホースが苦しみながらも先頭を守り抜いた。レモンポップは最内枠から五分の発馬を決めると、手綱を押してハナを奪った。道中はもう一頭のG1馬ペプチドナイルが終始、外から強烈なプレッシャーをかけてくる厳しい展開。4角でギアを上げて突き放しにかかったものの、ライバルも必死に抵抗を見せる。直線は壮絶な叩き合いとなったが、何とか振り切って20、21年アルクトス以来となる連覇を達成した。
2秒0の大差をつけた昨年と違い、今年は3/4馬身差の勝利。コンビを組んで国内5戦5勝となった坂井も「何とかしのいでくれというところで、危ないギリギリだという感じでした」と振り返るほど薄氷を踏む勝利だった。
10日の美浦での最終追い切りでは新馬2頭との3頭併せで2馬身の遅れ。4か月ぶりの仕上げには不安もあった。田中博調教師は「70点の仕上がり」と厳しいジャッジを下していたが、底力を見せつける形で5つ目のG1級タイトルをつかんだ。
トレーナーは「楽には行かせてもらえないだろうと思っていた。状態は100%ではなかったので、地力を証明できました」と安どの表情。今後は状態を見て判断されるが、6歳秋を迎えた外国産馬が今後もダート戦線の主役を務めていくことは間違いない。(石行 佑介)
◆レモンポップ 父レモンドロップキッド、母アンリーチャブル(父ジャイアンツコーズウェイ)。美浦・田中博康厩舎所属の牡6歳。米国のO・テイト夫妻の生産。通算17戦12勝(うち地方3戦3勝、海外2戦0勝)。総獲得賞金は6億3675万6000円(うち地方2億2500万円)。主な勝ち鞍は根岸S・G3、フェブラリーS・G1、南部杯・Jpn1、チャンピオンズC・G1(23年)、さきたま杯・Jpn1(24年)。重賞6勝目。馬主はゴドルフィン。