おはようございます、坂本です。金曜日はエリザベス女王杯の直前取材で美浦におりましたが、バタバタとしていたために珍しく早朝にお届けします。
というわけで前置きはなしで本題へいきなり行きます。まずは畠山厩舎からです。香港G1・2勝馬のウインブライトの半弟のウインオアシス(牡、父アルアイン、母サマーエタニティ)は、11月16日の東京・未勝利戦(芝2000M)でデビュー2戦目を予定しています。初戦は後方から脚を伸ばして5着でした。兄も手がけた畠山調教師が「1回使って、馬がシャキッとしてきた感じはある。もっさりした感じは解消してきて、上積みはある」と言えば、今週の追い切りに騎乗した松岡騎手も「全体的に上積みがありそう。成長もしている。型通りに良くなりました」と好感触です。期待の大きさから冷静なジャッジだった鞍上ですが、新馬戦の前と比べるとトーンも上がってきました。
そして同じく上昇ムードなのは父の初年度産駒のウインアレース(牡、父ウインブライト、母ウインアルテミス)です。こちらは7月6日の福島での新馬戦(8着)以来ですが、ひと夏を越して成長が見られるようです。11月17日の東京・未勝利戦(芝1600M)を目指しています。指揮官は「新馬戦の前はもう少し動けないかなという感じでしたが、牧場で乗り込んで、戻ってきてからは間違いなく動きは一段階上がってきた。メドのつく走りをしてほしいし、今度は十分にやれるかな」と前向きです。1週前追い切りは、美浦・Wコースで僚馬に先着して、ラスト1ハロンは11秒5と切れ味が出てきましたね。松岡騎手からも「勝てると思います」と、ようやく歯切れのいい言葉が聞かれました。来週は縁の深い2頭が楽しみですね。
ちなみに今週も2歳勢が何頭か出走しますが、土曜の東京9R・オキザリス賞にはルイステソーロ(牡、父シニスターミニスター、母ヘルディン)がスタンバイしています。新潟での初戦は5馬身差の逃げ切りVで、中1週での2戦目です。地方交流の兵庫ジュニアグランプリを視野に入れていましたが、出走枠が厳しい事情から、こちらを選択したとのこと。畠山師は「今週はサッと単走で流して状態はキープ。1ハロン延びて、坂もあるコースがどうかだけど、先々は走ってきそうな感じはする」と評価。さらに続けて「将来的には馬体重が500キロ近くになって、もう少し距離もこなせるのかな」として、現時点での馬体の感じから伸びしろを見込んでいるようです。今回は試金石の一戦ですが、ちょっとマークしておきたくなる一頭です。
未勝利組からは土曜の東京1R(ダート1600M)に出走するラーナローザ(牝、父ドレフォン、母ラーナアズーラ)をピックアップします。6月の函館のデビュー戦は芝を使って5着で、今回はダート替わりの一戦。母は芝で新馬勝ちしていましたが、その後はダートで2勝を挙げています。畠山師は「お母さんも自分の厩舎でやらせてもらって、ダートの走りはよかった。大野騎手も乗っていたし、お母さんみたいな走りを期待したい」と、条件替わりで面白そうですよ。
次は奥村武厩舎へいきましょう。まずは今週の土曜の福島5R・新馬戦で初陣を迎えるシャンソンドール(牝、父レイデオロ、母ベルディーヴァ)です。ハルーワソングを祖母に持つ血統で、伯父に14年の新潟記念など重賞2勝を挙げたマーティンボロなど、活躍馬が多い一族ですね。奥村武調教師は「精神的な幼さを感じるところがあるが、前に馬を置いてしっかりと動けるし、いい状態で送り出せます。切れるタイプではなく、長く脚を使わせる競馬で。資質としては、いきなりやれても」と評価。距離はあった方がいいタイプのようで、追い切りに乗った菊沢騎手も今週の取材で好印象を口にしていましたから、どんな走りをするか楽しみです。
同じく新馬のタイセイグレーター(牡、父エピファネイア、母グレイトペイジ)は、11月24日の東京・新馬戦(芝1800M)でのデビューを目指しています。こちらについて指揮官は「資質はかなりいいものを感じています。まだ集中できなかったり、精神的なものが走る方に向いていないですが、スイッチが入ったらよさそうですね」と、追うごとの良化を期待しています。半姉ダークペイジは芝の短距離でオープンまで出世しましたが、父が替わって距離適性などのタイプは違う雰囲気はしますね。
ブラザービート(牡、父デクラレーションオブウォー、母プリンセスオブザスターズ)は、11月23日の東京・新馬戦(芝1600M)でのデビューを予定して進めています。厩舎には芝で3勝を挙げているショウナンラスボスという半兄がいます。今週は美浦・Wコースで格上古馬の胸を借りた併せ馬で併入に持ち込んでいました。指揮官は「動きはよかったです。520キロくらいある大きい馬ですが、動きが素軽い。なるべく距離をもたせたいですね」と、好感触が伝わってきましたよ。
ちなみにデビュー3戦目で勝ち上がったカラマティアノス(牡、父レイデオロ、母ダンサール)は、年末の5回中山開催での次走を視野に入れて放牧先で進めているそうです。何度も書いていますが、母のきょうだいにサトノフラッグやサトノレイナスがいる血統で、個人的に注目しています。そんなことを書きながら、もう年の瀬が近づいてきていることを感じますね。
それでは今日のところはこのへんで。