◆阪神JF追い切り(4日・美浦トレセン)
2歳女王決定戦、第76回阪神JF・G1(8日、京都)の追い切りが4日、東西トレセンで行われ、アルテミスS覇者のブラウンラチェットが美浦・Wコースで年長のオープン馬相手に追走併入。無傷3連勝での戴冠(たいかん)へアピールした。
まだあどけなさを残しながら、秘める素質は断然だ。無傷3連勝でのG1初制覇を狙うブラウンラチェットは、美浦・Wコースで外オーキッドロマンス(3歳オープン)を3馬身追走する形から、6ハロン83秒6―11秒6の馬なりで楽に併入。切れのある身のこなしで、軽快なフットワークが目を引いた。調教パートナーを務めた嶋田(レースはルメール)は「乗りやすいし、落ち着いていて本当に優等生ですね。ポテンシャルはすごいものを持っている」と、うなった。
前走のアルテミスSは、スムーズに好位3番手から運び、余裕たっぷりに抜け出してV。1馬身1/4の着差以上の完勝だった。手塚調教師は「前回は内でためることができたし、どの位置取りになるか分からないが、どんな競馬でもできると思う」と大いに期待する。
小柄なタイプとあって、唯一の課題は馬体の維持になりそうだ。前走後は放牧を挟んで11月26日に帰厩して、この日を含めて3本の追い切りを消化。指揮官は「先週時点で434キロで、ちょっと減るかなという感じはします。あまり減らなければ」と指摘した。初の関西圏への輸送もあり、新馬戦(438キロ)、前走(440キロ)と比べて馬体重はカギになる。それでも「動きに関しては言うことない。心肺の方はできているので問題ない」と頼もしい。
ケンタッキーダービーで3着に好走するなどダート界で大活躍のフォーエバーヤングの半妹という良血で、素材の良さは言うまでもない。「(初めての)多頭数(の競馬)はやってみないと分からないが、能力は高い」と手塚師。かれんな乙女が、女王への第一歩を踏み出す。(坂本 達洋)