【大井競馬・東京大賞典(GⅠ)】フォーエバーヤング国内敵なし!あす大井競馬場で15時40分発走

年末の大一番で勝利を狙うフォーエバーヤング
年末の大一番で勝利を狙うフォーエバーヤング

 一年を締めくくるダートの大一番、第70回東京大賞典・GⅠは29日、大井競馬場の2000メートルで行われる。米ケンタッキーダービー、ブリーダーズCクラシックで3着に入ったフォーエバーヤングは、国内戦は4戦4勝。来年は再び海外転戦を予定しており、3連覇を狙うウシュバテソーロをはじめ、実績ある豪華なメンバーがそろった一戦で、強さを見せつけることができるか注目だ。

アメリカで好走

 絶対に譲れない。フォーエバーヤングにとって、2戦ぶりとなる国内での一戦。古馬の一線級がそろったが、矢作調教師は力強く言い切る。「弱いメンバーではない。ただ、日本で負けてはいかん、とは感じています」

 今まで積み重ねてきた経験が揺るがぬ信頼を生む。昨年は3戦3勝。今年は海外に活躍の場を求めた。サウジダービー、UAEダービーを連勝。中東からの長距離輸送で本調子を欠いたケンタッキーダービーでも鼻、鼻差の3着と、重い歴史の扉に手をかけた。

 今秋は、ジャパンダートクラシック(JDC)を快勝も、再び海を渡ったブリーダーズCクラシックは3着。しかし、本場の強敵相手に真っ向から渡り合った。「秋は春より現地での上昇曲線がいい感じ。メンタルでたくましくなっているのを感じましたね」と荒木助手は感心する。

 今回は調整が急ピッチで進み、25日の栗東・CWコースでは6ハロン78秒5―11秒5の猛時計を出した。「ようやく八分ぐらいかな。遠征の疲れではない。まだ体が緩く、成長している時期というのもある」とトレーナーは冷静に分析。ただ、求めるものが高いからこそだ。

 矢作師は大井の調教師だった父・和人さんのもとでホースマン人生が始まった。手綱を執る坂井の父・英光さんは大井でかつては騎手で、今は調教師として開業している。

 JDCと同じく2人にとっては”里帰り”となる一戦。トレーナーは「ファンが多いですからね。出るからには、という馬だと思っています」と力を込めた。来春はサウジC、ドバイ・ワールドCへの転戦を予定。故郷に錦を飾る一戦が、世界への”滑走路”になる。

 ◆フォーエバーヤング 父リアルスティール、母フォエヴァーダーリング(父コングラツ)。栗東・矢作芳人厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は8戦6勝(海外4戦2勝、地方3戦3勝含む)。主な勝ち鞍は、24年JDC・JpnⅠ、UAEダービー・GⅡ、サウジダービー・GⅢ、23年全日本2歳優駿・JpnⅠ、JBC2歳優駿・JpnⅢ。総獲得賞金は5億2326万2000円(海外3億6906万2000円、地方1億4700万円含む)。馬主は藤田晋。

クラウンプライド 好調をキープ

 25日は坂路でグランエシェゾー(3歳1勝クラス)と併せ馬。2馬身半先行し、強めに追われて54秒0―12秒5で併入した。松田助手は「後ろからつつかれることで、闘志を燃やせるようにイメージした」と意図を説明。全体時計は目立たないが、「馬場も重かったし、これくらい動ければ十分。好調をキープしている」と仕上がりに太鼓判を押した。(栗東)

ラムジェット 思惑通り来た

 25日の最終追いは、CWコースでウエストナウ(3歳3勝クラス)を5馬身半、サイモンベローチェ(2歳未勝利)を10馬身追走し、6ハロン80秒4―12秒0で2頭に併入した。チャンピオンズCを右前脚の挫石で回避した影響を感じさせない機敏な動きだった。佐々木調教師は「挫石のあともすぐに乗り出せたし問題はない」と納得の表情。(栗東)

ウシュバテソーロ 7歳馬V3だ

 3連覇を狙う7歳馬は、37戦目にして菅原明と初コンビ。追い切りに騎乗した鞍上は「ブリンカーを着けてぴりっとしていた。めちゃくちゃ乗りやすい馬です。前の強い馬をとらえられるポジションで運びたい」と、策を練る。メンタル面の衰えを考慮し、馬具を工夫して臨む年末の大一番。強豪3歳馬に大人の強さを見せつける。(美浦)

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