
G1ドバイシーマクラシックと相性抜群の血統がある。2022年の英愛チャンピオンサイアーに輝いたドバウィだ。
ドバウィ系の強さはデータが証明している。2016年1着ポストポンドから2024年1着レベルスロマンスまで(2020年は開催なし)、8レース連続で馬券圏内。この間の成績は(4・2・2・8)で、連対率38%、複勝率50%と好成績を残している。
初の連覇を狙うレベルスロマンスは、父ドバウィ、母ミニドレス(リステッドのハイトオブファッションS2着)という血統。半弟に当地のG1ジェベルハッタと米G1マンハッタンSを制したメジャードタイムがいる。
Dubawi | Dubai Millennium | Seeking the Gold |
Colorado Dancer | ||
Zomaradah 鹿毛 1995 | Deploy | |
Jawaher | ||
Minidress 黒鹿毛 2009 ミスタープロスペクター系 | Street Cry 黒鹿毛 1998 | Machiavellian |
Helen Street | ||
Short Skirt 黒鹿毛 2003 | ディクタット | |
Much Too Risky |
レベルスロマンス血統表
祖母ショートスカートは英G3ムシドラSなど重賞2勝、英G1ヨークシャーオークス2着、G1英オークス3着と活躍。曽祖母マッチトゥリスキーの孫に2011年のドバイワールドカップを制したヴィクトワールピサや安田記念の覇者アサクサデンエンがおり、日本でもおなじみの名ファミリーに属している。
ドゥレッツァの父は、皐月賞とダービーの2冠を制したドゥラメンテ。父はメイダンで不運に見舞われながらも結果を残した名馬だった。2016年のドバイシーマクラシックではレース前に右前脚の落鉄がありながらも、そのまま走って2着。父の産駒リバティアイランドもスローペースに泣かされながら2024年3着と健闘した。この血統には、逆境でも頑張り抜く力強さがある。
ドゥラメンテ | キングカメハメハ | Kingmambo |
マンファス | ||
アドマイヤグルーヴ 鹿毛 2000 | サンデーサイレンス | |
エアグルーヴ | ||
モアザンセイクリッド 青鹿毛 2009 ヘイルトゥリーズン系 | More Than Ready 黒鹿毛 1997 | サザンヘイロー |
Woodman's Girl | ||
Danalaga 鹿毛 2000 | デインヒル | |
Tamarino |
ドゥレッツァ血統表
ドゥレッツァは母方の血統も優秀で、母にG1ニュージーランドオークス馬モアザンセイクリッドを持つ。祖母の父デインヒルも当レースと相性の良い血統で好材料だ。
そのデインヒル系種牡馬の産駒で注目したいのがジアヴェロット。古い話だが、同系種牡馬を父に持つリワイルディング(父タイガーヒル)が2011年に1着となった。
ジアヴェロットの血統構成は、過去の好走馬とよく似ている。父マスタークラフツマン(デインヒル系)×母の父ガリレオ(サドラーズウェルズ系)という配合は、2015年の2着馬フリントシャー(父デインヒル系ダンシリ×母の父サドラーズウェルズ)と近い。さらにジアヴェロットとフリントシャーはともにG1香港ヴァーズ優勝馬であり、イメージが重なる。
Mastercraftsman | Danehill Dancer | デインヒル |
Mira Adonde | ||
Starlight Dreams 芦毛 1995 | ブラックタイアフェアー | |
Reves Celestes | ||
Gerika 栗毛 2005 サドラーズウェルズ系 | Galileo 鹿毛 1998 | Sadler's Wells |
Urban Sea | ||
Green Tern 鹿毛 1995 | Miswaki Tern | |
Green Leaves |
ジアヴェロット血統表
マスタークラフツマンの産駒で、G1仏ダービーとG1愛チャンピオンSを制したザグレイギャツビーは、2015年のG1ドバイターフで2着。父の産駒が当地のG1で好走した実績も歓迎材料だ。
◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。4月5日(土)24時からラジオNIKKEI第1で放送される「ドバイワールドカップデー実況中継」に出演予定。