香港3季連続リーディングのモレイラが今秋JRA騎手試験挑戦!

2015年のワールドオールスタージョッキーズで優勝したモレイラ(中央、左は武豊、右は戸崎)
2015年のワールドオールスタージョッキーズで優勝したモレイラ(中央、左は武豊、右は戸崎)

 世界的な名手、ジョアン・モレイラ騎手(34)=ブラジル=が今秋、JRA騎手免許試験を受験することが8日、明らかになった。13年から所属した香港での騎手免許を更新せず、不退転の決意でのチャレンジ。9月の第一次試験、来年1月の第二次試験をパスできれば、来年3月にJRAのモレイラが誕生する。

 8日に香港ジョッキークラブが発表した18/19シーズンの免許を更新した騎手の中に、モレイラの名前はなかった。5年間在籍して、圧倒的なパフォーマンスを見せ続けてきた香港での地位を捨ててのJRA騎手試験の受験。7日夜に電子版で一斉に報じた現地メディアによれば、今年受からなかった場合、母国のブラジルに戻って、翌年の再受験に備えるとしており、退路を断っての決断であることは確かだ。

 モレイラは日本でも15年の第1回ワールドオールスタージョッキーズで優勝。短期免許で来日した16年8月に札幌でJRA最多タイ記録となる騎乗機会7連勝を記録。また、モーリスでチャンピオンズマイル(16年)、サトノクラウンで香港ヴァーズ(同)、ネオリアリズムでクイーンエリザベス2世C(17年)、ヴィブロスでドバイ・ターフ(同)を勝っており、日本馬の海外G1での優勝請負人としての地位を確立している。

 ただ、騎乗技術だけではJRAの騎手試験は突破できない。第一次試験の筆記は英語での受験が可能だが、第二次試験の口頭試験は日本語。頻繁に短期免許で来日していたMデムーロでも1年目は不合格になっており、来日経験が少ないモレイラにとっては、すでに試験に向け、熱心に日本語の勉強をしているといっても相当な難関だ。

 香港の大手紙・サウスチャイナモーニングポストの取材に対し、モレイラは「日本での騎手免許取得はとても難しいプロセスであることは分かっている。このチャレンジをオープンにしないことはフェアではない。香港と日本の両方を選ぶことはできず、どちらかを選ばなければならない」と語っている。8月以降は香港での騎乗がなくなり、JRAでの短期免許での騎乗は最大3か月まで広げられるが、9月の一次試験までの期間は短い。15年のMデムーロ、ルメールに続く3人目の外国人騎手の通年免許取得へ。本気の「マジックマン」から目が離せない。

 ◆ジョアン・モレイラ(Joao Moreira)1983年9月26日、ブラジル生まれ。34歳。00年に母国ブラジルでデビュー。シンガポールを経て、13年10月に香港に移籍。14/15年シーズンから145勝、168勝、171勝と最多勝利記録を3季連続で塗り替えてリーディング。今季は現在116勝で2位のパートン(115勝)と激しく首位を争う。165センチ、52キロ。

 <JRA騎手免許試験> 例年8月初旬に要項が発表される。新規騎手試験は〈1〉競馬学校騎手課程の生徒、〈2〉地方競馬の騎手免許所持者、〈3〉その他の区分、ごとに試験が行われる。海外の競馬統括機関の騎手免許を受けているモレイラの場合は〈3〉に該当する。

 第一次試験は9月ごろに実施。項目は〈1〉学力に関する筆記試験(a競馬関係法規、b馬学、衛生学、基本馬術、その他競馬に関する知識及び一般常識)、〈2〉騎手技術試験、〈3〉身体検査、〈4〉体力測定。JRAが実績が優秀であると認めた外国人騎手は〈1〉が競馬関係法規及び中央競馬の騎手として必要な競馬に関する知識に代わり、〈4〉は省略される。英語での受験が可能。

 第二次試験は第一次試験は合格者のみ、翌年1月に〈1〉学力に関する口頭試験、〈2〉騎乗技術試験、〈3〉身体検査、〈4〉人物考査が行われる。実績が優秀と認められた外国人騎手は〈1〉が競馬関係法規及び中央競馬の騎手として必要な競馬に関する知識並びに一般常識、〈2〉が技術に関する試験に代わり、いずれも日本語で口頭で行われる。

 合格発表は2月に行われ、翌3月1日からの騎手免許が付与される。

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