【日本ダービー 武史の挑戦2】父への強い憧れ「横山典弘を超えるようなジョッキーになりたい」

19年の日本ダービー前、リオンリオンを調教する横山武史
19年の日本ダービー前、リオンリオンを調教する横山武史

◆第88回日本ダービー・G1(5月30日・芝2400メートル、東京競馬場)

 「横山典弘騎手を超えるようなジョッキーになりたいと思います」―。

19年暮れに中京競馬場でJRA通算100勝を達成した武史は、父・典弘騎手(53)への強い憧れを口にした。父は09年ロジユニヴァース、14年ワンアンドオンリーでダービーを2度制覇。その姿は今も鮮明に脳裏に残る。JRA競馬学校の同期・富田暁騎手(24)=栗東・木原厩舎=は同校時代の武史について「お父さんが勝った大レースの実況もうれしそうに再現していました」と述懐。父は時に大胆な騎乗で周囲の度肝を抜いてきたが、馬のことを第一に考える姿を、武史は深く尊敬する。

 師匠の鈴木伸尋調教師(61)=美浦=は「性格的にはぶれないね。そこは典とよく似ている。あと手足も長い。腕が長くて手が大きい。そこも似ているよね」と、父子の共通点を証言する。祖父の富雄さん、兄の和生もジョッキーという競馬エリートのDNAは、肉体のみならず心の面にも受け継がれている。

 2年前には父が騎乗停止処分を受け、急きょダービー初騎乗のチャンスを得た。コンビを組んだのは父が青葉賞を逃げ切って出走権を獲得したリオンリオン。管理する松永幹夫調教師(54)=栗東=は騎手時代に父と同期で、まだ20歳の武史に手綱を託した。驚いた鈴木伸師はただちに松永師に連絡し、「武史でいいの?」と尋ねたという。デビュー3年目にして巡ってきた初の大一番。武史は感謝の思いを胸にゲートインし、19年日本ダービーのスタートが切られた。(特別取材班)=つづく=

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