◆大阪杯追い切り(29日・美浦トレセン)
第67回大阪杯・G1(4月2日、阪神)の追い切りが29日、東西トレセンで行われた。昨年の牝馬2冠馬スターズオンアースは美浦・Wコースの3頭併せで僚馬を馬なりで圧倒。手綱を執ったルメールも満足の仕上がりだ。
ドバイで大暴れした鞍上も絶賛の最終デモだった。昨年の牝馬2冠馬スターズオンアースはルメールを背に美浦・Wコースで3頭併せ。外サルサロッサ(4歳1勝クラス)、中ステラダイヤ(5歳2勝クラス)を相手に5馬身間隔の最後方から。柔らかみのある脚さばきでスムーズに追走すると、4角では最内へ。迎えた直線では手綱をがっちりと押さえたままギアを上げ、そのまま軽快に末脚を伸ばし、6ハロン82秒2―11秒7で最先着を果たした。
オークスVから3戦連続のコンビとなる鞍上は「ずっといい感じでした。直線ではいい反応で、フットワークも良かった。心身ともに充実しています。先週の彼女の追い切りも見ましたが、結構すごい追い切りでしたね」。前走後に左前肢の繋靱帯(けいじんたい)に炎症を起こし、5か月半ぶりの一戦となるが、その不安を感じさせない仕上がりに賛辞を惜しまなかった。
ルメールは25日のドバイワールドカップデーでシーマクラシックとUAEダービーを制し、勝負強さを世界に見せつけた。特にシーマCのイクイノックスは2着に3馬身半もの差をつけ楽々と逃走劇を演じてみせた。「信じられない結果。すごくいい一日でした」。凱旋初戦となるG1へムードは最高潮だ。
牝馬3冠がかかった前走の秋華賞は3着に敗れ偉業達成はならなかった。だが、スタートで挟まれる不利があり、ほぼ最後方からの競馬を強いられてのもの。上がり最速で追い上げた0秒1差は負けて強しといえる内容だった。「体が大きくなり大人になってパワーアップした。今年が楽しみ」とルメール。4歳初戦が牡馬混合G1とハードルは高いが、それを乗り越えるだけのポテンシャルは十分に秘めている。(石行 佑介)
〈高柳瑞樹調教師に聞く〉
―最終追い切りの意図は?
「ルメールさんに感触をつかんでもらうのと、反応がきちんとあるかどうか確認してもらうようなイメージで、良かったと思う」
―秋華賞(3着)からここまでの調整について。
「繋靱帯(けいじんたい)炎を発症したのでまずはしっかり治して。そこから牧場でしっかりと立ち上げていった感じです」
―トレセンに戻ってからの印象は。
「馬体が結構大きくなったなと。実際に背も高くなっています」
―秋華賞と同じ阪神2000メートルになる。
「東京などと比べると広いコースではないので立ち回りを上手にしないとなとは思います」
―力関係はどう見る。
「やってみなきゃ分からないですが、ものすごい能力を持っている馬なので立ち向かってほしいです」