◆大阪杯追い切り(30日、美浦トレセン)
第67回大阪杯・G1(4月2日、阪神)の出走馬が30日、確定した。木曜追いに臨んだヒシイグアスは軽めの調整。陣営の発言を基に仕上がり具合を松井中央記者が「見た」。枠順は31日に決定する。
頭の中にいくつもクエスチョンマークが浮かんだ。ヒシイグアスの最終追い切りをどう判断すべきか。美浦・Wコースを4ハロンから単走で53秒5―12秒5をマーク。ん!? 1週前に強い調教、レース当週で4ハロンの軽め調整は、堀厩舎としては珍しくないが、あまりにも軽すぎではないか。しかもG1で…。
共同会見で森一誠技術調教師が対応。「当週は疲れを残さないよう、予定通りの調教内容を積むことができました。追い切り後の息づかいも前走より良くなっている」と納得の表情だ。
確かに、2週前追いでは6ハロン81秒8―11秒1。先週の追い切りでも6ハロン82秒5―11秒2とハードトレを敢行した。追い切り前にはBダートコースと角馬場で入念に乗り込まれ、運動の段階でも十分な負荷がかけられていて、仕上がりに抜かりは感じられない。ふーむ…、そうだ、木曜追いはどうなんだ。
森一師「日曜のレースの時は木曜に追うのが厩舎として標準。少し強めに負荷をかけたい時などは水曜に追い切ることもありますが、特別なことをする必要がない状態なので」
昨年、ヒシイグアスが阪神へ遠征した2戦(大阪杯、宝塚記念)はともに水曜追いだったが、いずれも休み明けだった。確かに今回は8か月ぶりの中山記念を叩き中4週。休み明けだった中山記念は水曜追いだったし、関西遠征でも仕上がり順調な今回は、木曜追いでも問題ないということなのだろう。
以前から堀調教師がウィークポイントとして挙げていた後肢についても森一師は「しっかりケアしながら、引き続きいい状態で出走させることができる」ときっぱり。
こちらが勝手な不安を感じても、陣営に全く揺るぎは感じられない。昨年の宝塚記念後に熱中症で休養が長引き、完調手前に思えた中山記念であっさり勝利したように、地力はここでは一枚上。朝のヒシイグアスの軽快な脚取りを思い出し、邪念は吹き飛んだ。能力発揮の態勢は十分に整っていると判断したい。