【中山グランドジャンプ】イロゴトシ新王者 3秒1差のレース記録 オジュウチョウサン超えた

圧倒的な強さでジャンプ界の覇権争いに名乗りを挙げたイロゴトシ(左)(カメラ・荒牧 徹)
圧倒的な強さでジャンプ界の覇権争いに名乗りを挙げたイロゴトシ(左)(カメラ・荒牧 徹)
JG1初勝利を飾ったイロゴトシと黒岩(左)
JG1初勝利を飾ったイロゴトシと黒岩(左)

◆第25回中山グランドジャンプ・JG1(4月15日、中山・障害芝4250メートル)

 第25回中山グランドジャンプ・JG1は、九州産馬のイロゴトシがレース記録となる3秒1差で圧勝。重賞初挑戦で初タイトルを獲得し、JG1・9勝のオジュウチョウサン引退後のジャンプ界覇権争いに名乗りを挙げた。

 降りしきる雨さえ心地よかった。3コーナーで一気に5番手から先頭に躍り出たイロゴトシは、そのまま猛然と直線へ。最後の障害も悠々と飛び越えると全く手応えが衰えず、何と3秒1差の大差勝ち。18年のオジュウチョウサンの2秒4差を塗り替え、レース新記録。JG1初制覇の黒岩は「まだ実感が湧かないですが…。ひと言で言うとセンス抜群ですね」と、興奮を隠し切れなかった。

 障害入りしてキャリア4戦目だったが、飛越のうまさと調子の良さで大仕事をやってのけた。「未勝利を勝った時も、慣れた2戦目の競馬場では前進してくれていたので、強気、強気に乗りました」と鞍上が言えば、牧田調教師も「ジョッキーがこの馬のことをよく分かっているので“ツモってこい”と送り出した(笑い)」と自信を持っていた。前走のペガサスJSでも3着に好走していたが、同じ中山の舞台で期待以上の走りを見せた。

 昨年の中山大障害を最後に歴代最多のJG1・9勝を誇ったオジュウチョウサンがターフを去り、ジャンプ界は群雄割拠の新時代を迎えた。障害4戦目でのVはレース史上最少で、「このキャリアでこの相手に、このパフォーマンスを見せてくれた。伸びしろはあると思う」と黒岩。春の中山に夢とロマンに満ちた新風が吹いた。(坂本 達洋)

 ◆イロゴトシ 父ヴァンセンヌ、母イロジカケ(父クロフネ)。栗東・牧田和弥厩舎の牡6歳。熊本県・本田土寿氏の生産。通算成績は28戦5勝(うち障害4戦2勝、平地21戦3勝、地方3戦0勝)。総獲得賞金は1億4207万5000円(うち障害8040万円、平地5927万5000円、地方240万円)。重賞初勝利。馬主は内田玄祥氏。

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