欧州競馬の上半期を締めくくるキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス・G1(現地時間29日、アスコット競馬場・芝2390メートル)が今週末に開催される。現時点で登録しているのは15頭だが、注目はディープインパクト最終世代で英愛ダービーを制したオーギュストロダン(牡3歳、Aオブライエン厩舎)。英国大手のブックメーカー、ウィリアムヒル社(日本時間26日10時現在)では4・33倍の1番人気に設定されているように、欧州でもディープインパクト産駒への関心は高い。
アイルランドの地元紙「The Irish Times」は現地時間24日に、「オーギュストロダンがキングジョージ出走の準備を進める中、柔らかい馬場が最大の懸念である、とエイダン・オブライエン氏は語る」との見出しで記事をアップ。同馬は良馬場の英愛ダービーを勝ったが、英2000ギニーは重馬場で12着と大敗を喫していることにくわえ、同紙では「エミリー・アップジョン、パイルドライバー、そしておそらく昨年のダービー馬デザートクラウンと同様に、エイダン・オブライエンのスターホースも、理想的とは言えない柔らかい馬場に対処しなければならない可能性がある」と指摘している。また、秋の凱旋門賞(10月1日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)挑戦について、Aオブライエン調教師が発した最近の談話も紹介。「彼はきれいな跳びをする馬なので、柔らかい馬場や不良馬場で走らせたくないだろう」と馬場について言及している。
しかし、オーギュストロダンにとっては伝説的なエリート集団に加わるチャンスでもある。同紙では英愛ダービーを制した同馬が”キングジョージ”も勝てば、過去に7頭しか達成していない”ハットトリック達成”になると紹介。偉業を達成した最初の馬は1970年のニジンスキーで、グランディ(1975年)、ザミンストレル(1977年)、トロイ(1979年)、シャーガー(1981年)、ジェネラス (1991年)と続き、Aオブライエン調教師が手掛けた22年前のガリレオを最後に偉業は成し遂げられていない。ディープ最終世代が伝説の名馬に並ぶことができるか。