【札幌記念】圧勝のプログノーシスに社台ファーム・吉田照哉代表「大きなところを意識できる」天皇賞・秋参戦へ

直線で力強く抜け出したプログノーシス(左)
直線で力強く抜け出したプログノーシス(左)

◆第59回札幌記念・G2(8月20日、札幌・芝2000メートル)

 サマー2000シリーズ第4戦の第59回札幌記念は20日、札幌競馬場で行われ、2番人気のプログノーシス(川田)が重賞2勝目を挙げた。G1馬3頭が参戦した夏の大一番を4馬身差で圧勝し、秋のG1戦線へ強烈な存在感を残した。

 直線はまさに独壇場だった。プログノーシスが稍重の発表以上にタフな重い馬場で力強く突き抜けた。苦しむG1馬たちを置き去りにして、内を突いた2着のトップナイフに4馬身差の圧勝劇。「4コーナーの雰囲気も良かったですし、こういう特殊な馬場で適性の差も出たのかなと思います」と川田は金鯱賞に続く2つ目の重賞タイトルを冷静に振り返った。

 巧みな手腕が光った。各馬が外を走るなか、後方にいた向こう正面までは内を選択していたが、自然にポジションアップすると、3コーナーから進路を切り替え、馬場状態のいい外へと導いた。先団に取り付いた直線は加速するのみ。脚いろは最後まで全く鈍らなかった。

 「ポテンシャルは非常に高い馬なのですが、それを発揮するのがとても難しい馬なので」と川田。だからこそ、厩舎と密にコミュニケーションを取り、プログノーシスを大切に育ててきた。5歳夏にして、キャリアはまだ10戦。コンビを組めば6戦6勝だ。今までは後方から末脚勝負という競馬が続いていたが、今回のような競馬ができたことは、秋のG1戦線で大きな武器となるだろう。

 社台ファームの吉田照哉代表は「これで大きなところを意識できる」と天皇賞・秋(10月29日、東京)への参戦を示唆した。「胸を張っていい内容だったと思います」とこの日、JRA年間100勝にも一番乗りで到達した川田。自在性を加えた遅咲きの素質馬が、秋の主役へ名乗りを上げた。(山下 優)

 プログノーシス 父ディープインパクト、母ヴェルダ(父オブザーヴァトリー)。栗東・中内田充正厩舎所属の牡5歳。北海道千歳市・社台ファームの生産。通算10戦6勝(うち海外1戦0勝)。総獲得賞金は3億469万1300円(うち海外9302万300円)。主な勝ち鞍は金鯱賞・G2(23年)。馬主は(有)社台レースホース。

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