JRAは9月12日、2006年のオークスと秋華賞を制し、同年度のJRA最優秀3歳牝馬と最優秀父内国産馬を受賞したカワカミプリンセスが起立不能となり、11日に死んだことを発表した。20歳だった。現役引退後は、北海道新ひだか町の三石川上牧場で繁殖牝馬としてけい養され、繁殖牝馬から引退後も同牧場で余生を過ごしていた。
三石川上牧場の上山浩司代表は「最後まで元気で気丈な馬でした。また、現役引退後もファンの皆様からたくさんのプレゼントをいただくなど、とても人気のある馬でした。これまで応援どうもありがとうございました」とコメントした。
現役時代は栗東の西浦勝一厩舎に所属。2006年2月に新馬勝ちし、君子蘭賞、スイートピーSと3連勝で臨んだオークスを3番人気で勝って牝馬クラシックで重賞初制覇。続く秋華賞も制して、デビューから本田優現調教師の手綱で無傷5連勝で牝馬2冠に輝いた。その後は勝ち星に恵まれなかったが、2008年エリザベス女王杯2着など重賞戦線で存在感を見せた。通算17戦5勝。総獲得賞金は3億5089万2000円。
西浦勝一元調教師(現役時代に管理)「名馬中の名馬という馬でした。気は強くて、負けず嫌いな馬でした。秋華賞まではポンポンと勝って、鍛えるたびに強くなって、馬もそれに応えるようにどこからでも1着でゴールしてくれました。(4歳夏に)トモ(後肢)の種子骨を骨折してからは思うように走れなくなりましたけどね。
子供も多く預からせてもらいましたから、引退後もよく牧場で(カワカミプリンセスを)見ていましたよ。子供は思うように走れていないですけど、孫やひ孫の代からでも血を受け継いだ馬が走ってほしいと思っています」