【2024年注目馬・戸田】ヤマニンウルスは名手・武豊騎手もほれ込む大器

ダート戦線の主役に期待されるヤマニンウルス
ダート戦線の主役に期待されるヤマニンウルス

 デビュー戦の印象が色あせない。無敗の3連勝中のヤマニンウルス(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎、父ジャスタウェイ)が22年8月20日に見せたパフォーマンスは、まさに圧巻。2番手追走から3コーナー過ぎで早々と先頭に。そのまま後続を一方的に突き放して大差勝ちだった。

 勝ち時計は、ダート1700メートルの2歳レコードを0秒5更新する1分44秒3。後続に4秒3差付けた勝ちっぷりも“ど派手”だったが、2着馬のゴライコウが交流重賞のJBC2歳優駿を制したのだから、決してメンバーに恵まれた訳でもなかった。

 その後、1勝クラスと2勝クラスを楽勝。その間に40キロ増と馬体も着実にパワーアップした。前走後、斉藤崇調教師が「まだまだ緩いですし、これから成長してくれると思います」と振り返っていた伸び代も魅力。大事に使われ、3歳を終えまだ3戦しか経験していないが、次走は来年1月14日の雅S(京都・ダート1800メートル)を予定。デビュー後、最も短い間隔となる2か月でレースに使えるのも、体質が強化されてきた証拠だろう。

 同世代にブリーダーズCクラシック2着のデルマソトガケや、デビューから5連勝でみやこSを制したセラフィックコール。地方では無敗で3冠を制したミックファイアなど今後が楽しみな顔ぶれがそろうが、ヤマニンウルスも引けを取らない。

 2走前に手綱を執った武豊騎手は「和製フライトラインになってほしい」と、デビューから無傷の6連勝(G1・4勝含む)で昨年のBCクラシックを圧勝した米国の名馬を引き合いに出しながら高い能力を評価した。雅Sでは2走ぶりにコンビを組む。勝利後、どんなコメントが聞けるのか楽しみだ。(戸田 和彦)

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