◆第64回きさらぎ賞・G3(2月4日、京都競馬場・芝1800メートル)=1月31日、栗東トレセン
新コンビを組む川田を背に、ファーヴェントが軽快なフットワークで駆け抜けた。栗東・坂路でヴィレム(3歳1勝クラス)を2馬身追走。残り1ハロン付近で馬体を併せると、最後まで脚取りが乱れることなく、52秒6―12秒0で小気味よく伸びて併入した。「時計は出たけど、余力を残した状態。『素質の高い馬』と言ってくれたし、トップクラスの馬に乗っているジョッキーだが、『将来的に楽しみ』とジャッジをくれた」と藤原調教師は川田の高評価も伝えた。
好センスの持ち主だ。デビュー戦ではスタートを決め、スムーズに折り合うと、ラスト3ハロンはメンバー最速タイの33秒4の切れ味で危なげなく2馬身差の快勝。重賞初挑戦だった前走の東京スポーツ杯2歳Sでも好位追走から直線でややもたれる面を見せたが、3着と上位争いには加わった。「輸送や東京コースなど経験を積ませることが大事。3着なら合格点」とトレーナー。「大きいところを逆算して選んだ。しっかり賞金を加算できて、パフォーマンスを出せるのはどこか」と、きさらぎ賞にターゲットを定めた理由を明かした。
「乗りやすくて総合的にレベルの高い馬」。日本ダービー2勝(10年エイシンフラッシュ、21年シャフリヤール)とクラシックを知り尽くす藤原調教師が期待を込めるハーツクライ産駒最終世代。98年のスペシャルウィークや03年ネオユニヴァースなど、のちのダービー馬も勝った“出世レース”を制し、クラシックロードの主役候補に躍り出る。(戸田 和彦)