◆第85回オークス・G1(5月19日、東京競馬場・芝2400メートル)
牝馬クラシック第2戦、第85回オークス・G1(19日、東京)は別路線組が侮れない。スイートピーSで3連勝を決めたコガネノソラのトライアル組も無視できない。
コガネノソラはスイートピーSを大外から豪快な末脚で制し、未勝利戦から3連勝で駒を進めてきた。まだまだ底を見せない勝ちっぷりに、菊沢調教師は「余力たっぷりだったし、こんな王道の競馬をして大丈夫かと見ているこっちがヒヤヒヤしたよ(笑い)」と、勢いに乗るまな娘の確かな成長を感じ取っている。
血統背景も好走を予感させる。祖母コスモチェーロは現役時1勝にとどまったものの、唯一の勝利は芝2400メートルだった。その子供ウインマリリンは20年オークスを2着。のちの3冠牝馬デアリングタクトに半馬身差で食い下がり、22年の香港ヴァーズ制覇やエリザベス女王杯2着など中長距離重賞を4勝と活躍した。さらに、「父ゴールドシップ×母の父ロージズインメイ」は21年Vのユーバーレーベンと同じ配合。初距離をこなす下地は十分にある。菊沢師は「折り合いもつくし乗りやすい馬で操縦性もいい」と距離適性に自信を深める。
臨戦過程にも不安はない。中2週と詰まったレース間隔を考慮し、金曜(10日)に美浦・Wコースで1週前追い切り。序盤から抜群の前進気勢を見せ、鞍上が抑えるのに苦労するほど。フットワークは力強さにあふれており、順調そのものだ。トレーナーも「本当にタフな馬です」と想像を超える回復力に目を細める。「瞬発力もあるし東京コースでああいう一面を見せてくれた。雨でも降ってくれればもっといいし、楽しみの方が大きい」。デビュー4連勝で頂点に立った06年カワカミプリンセス以来、18年ぶり2頭目のスイートピーS優勝馬の勝利へ期待は膨らむばかりだ。