32歳最年少トレーナー・田中博調教師、G1勝った思い出の馬房から第一歩を踏み出す

管理馬との撮影に応じた田中博調教師
管理馬との撮影に応じた田中博調教師

 元G1ジョッキーが、32歳の最年少トレーナーとしての第一歩を踏み出した。「まだ2頭しか入厩していないので、余裕を持ってやれたのは良かったです」と、田中博調教師は笑顔で初日を振り返った。

 不思議な縁に恵まれた。美浦トレセンで開業したのは、新厩舎に引っ越した小島茂調教師が構えていた場所。くしくも騎手時代の09年に11番人気でエリザベス女王杯を制したクィーンスプマンテが過ごした思い出深い厩舎だ。その母に父オルフェーヴルの2歳牡馬が入厩してくることも決まっており、「同じ馬房に入れてあげたいですね。初年度から預けていただいて本当にありがたいですし、色々な意味で本当に楽しみです」と心待ちにしていた。

 騎手時代から海外に目を向け、11年にはフランス、ベルギーで勝利を挙げただけではなく、現地で様々な厩舎業務に携わった。16年に難関といわれる調教師試験を一発合格すると、技術調教師だった昨年は世界中を飛び回って勉強し、凱旋門賞7勝を誇るフランスのアンドレ・ファーブル厩舎でもスタッフとして働いた国際派だ。

 「僕は日本で働いたことがないので任せる部分も大きいし、逆に騎手の経験だったり、海外や栗東の厩舎で見てきたものがある。スタッフはコミュニケーションを取れる人たちばかり。トップに立つというより、みんなの輪に入ってやっていきたいです」。今週の出走予定馬はいないが、焦らず、じっくりと世界でも戦える馬を育て上げる。(西山 智昭)

 ◆田中 博康(たなか・ひろやす)1985年12月5日、埼玉県生まれ。32歳。06年3月に騎手デビュー。09年エリザベス女王杯(クィーンスプマンテ)など重賞3勝。JRA通算129勝。16年に騎手出身としては最年少の31歳で調教師試験に一発合格した。

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