日本調教師会は19日、JRAの調教師として長らくトップクラスの活躍をした伊藤雄二氏が老衰のため17日に亡くなっていたことを発表した。85歳だった。
伊藤氏は1959年に伊藤正四郎厩舎所属として騎手デビューし、坪重兵衛厩舎所属時代を含めて72勝(535戦)を挙げた後、66年に調教師に転身。69年に阪神競馬場から栗東トレセンに拠点を移した。
その後、77年にハードバージの皐月賞でクラシック初制覇。87年にはマックスビューティで桜花賞、オークスの牝馬2冠制覇も成し遂げた。89年の桜花賞は武豊とコンビを組んだシャダイカグラで制した。
さらにダイイチルビーで安田記念、スプリンターズS(いずれも91年)を優勝したことで、「牝馬の伊藤雄」の称号を得る一方、93年にはウイニングチケットで鞍上の柴田政人とともに悲願の日本ダービー制覇を成し遂げた。
そして、エアグルーヴ(96年オークス、97年天皇賞・秋)、ファインモーション(2002年秋華賞、エリザベス女王杯)と、武豊との最強コンビで日本競馬史上に残る名牝を次々と輩出。05年の秋華賞をエアメサイアで制したのが最後のG1制覇で、07年2月28日に定年引退した。2014年には中央競馬の発展に多大な貢献があった関係者に送られる「競馬の殿堂」の調教師顕彰者に選出された。