【京都大賞典】芝転向から5戦連続上がり最速 究極の上がり馬ヴェラアズールが重賞初挑戦初勝利

上がり33秒2の豪脚で抜け出すヴェラアズール(左)(カメラ・高橋 由二)
上がり33秒2の豪脚で抜け出すヴェラアズール(左)(カメラ・高橋 由二)
2日連続の重賞勝利にも冷静な松山(右)と、渡辺調教師
2日連続の重賞勝利にも冷静な松山(右)と、渡辺調教師

◆第57回京都大賞典・G2(10月10日、阪神・芝2400メートル、稍重)

 第57回京都大賞典・G2は10日、阪神・芝2400メートルで行われ、2番人気のヴェラアズールが上がり最速33秒2の豪脚で差し切って重賞初挑戦初勝利を挙げた。今年3月に芝に転向して開眼。転向から5戦連続で上がり最速をマークと“切れ者”ぶりを存分に発揮した。鞍上の松山弘平騎手(32)=栗東・フリー=はサリオスに騎乗した毎日王冠に続く2日連続の重賞Vとなった。

 脚が違う。ヴェラアズールが大外から他馬をのみ込んだ。メンバー唯一の重賞未経験だったが、次位に0秒5もの差をつける最速33秒2の末脚で、一気に初タイトルをつかんだ。「追ってからの反応も良かったですし、非常に強いレースでした」。毎日王冠に続き2日連続のG2勝利を決めた松山は会心の笑みだ。

 今回が初コンビ。松山は「追い切りでもいい脚を使っていたので、しっかり脚を使えると思っていた」と、調教で手応えを得た強烈な末脚を引き出すため、序盤は折り合い重視で後方から進めた。人馬の息を合わせると、最後の直線はため込んだパワーを解き放つだけだった。鞍上が「思っていた以上に脚を使ってくれた」と振り返れば、渡辺調教師も「(道中で)我慢させたことが伸びにつながった」とうなずいた。

 体質的に弱いところがあり、デビューは3歳の3月。陣営は無理をさせないようダート路線に起用しつつ“本格化”を待った。体力強化とともに今年3月に初めて芝に投入されると、今回も含め5戦連続で上がり最速をマークし、重賞ホースの仲間入りを果たした。

 「大きな舞台を狙いにいきたい」とトレーナー。次走は未定だが、優先出走権を得た天皇賞・秋に加え、ジャパンC、有馬記念と続く古馬王道路線に挑む可能性もある。「これから先も楽しみですね」と松山。充実期に入ったエイシンフラッシュ産駒が、さらに実りの秋を迎える。(戸田 和彦)

 ◆ヴェラアズール 父エイシンフラッシュ、母ヴェラブランカ(父クロフネ)。栗東・渡辺薫彦厩舎所属の牡5歳。北海道白老町・(有)社台コーポレーション白老ファームの生産。通算21戦5勝。総獲得賞金は1億4577万4000円。重賞初勝利。馬主は(有)キャロットファーム。

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