いざ登竜門(美浦)

ダノンザタイガー
ダノンザタイガー

 こんばんは、坂本です。まさしく「深冷の候」といった陽気になってきましたね。

 今日まで美浦で取材ということで、バタバタしているので“前振り”を省略して、いきなり本題へいきましょう。今週は東京スポーツ杯2歳Sで、近年は翌年のクラシックで活躍する馬も多く、登竜門的な重賞ですね。ということで、まずは国枝厩舎からダノンザタイガー(牡、父ハーツクライ)を。8月の新潟で未勝利戦を勝ち上がって以来ですが、この中間は調教で切れのある動きを見せており、好時計もマークして能力の高さを感じさせています。国枝調教師は「少しずつ成長して、しっかりしてきた。脚長なタイプで筋肉質な馬じゃないから、距離の長いところは走ると思うよ」と、うなずいていました。まさしく試金石の一戦となりそうです。

 このまま他の馬の話題にもいくと、未勝利馬のモリーダーリン(牝、父ハーツクライ)は、予定通り来週11月26日の東京・未勝利戦(芝1800M)へ。今週の美浦・Wコースでは、5ハロン64秒6―11秒5と好時計でした。「ちょっと球節が気になったからここまで待ったけど、馬っぷりで言ったら、あれが一番。新馬戦も前が詰まって詰まってだったしね。動きはいいよ」と、相変わらずトーンは高そうでした。

 そして新馬では良血で注目を集めるテンペスト(牝、父ロードカナロア、母シーザリオ)が、11月11日に帰厩してきています。ここから年内デビューを目指して、ピッチを上げていくようです。「まずまずだね。(ゲート試験合格後の放牧を挟んで)もうちょっとグッとしてくればとも思う。気性はおとなしいけど、反応は速い。そういうところは面白いかも」と、素質を評価しつつ大事に育てていく考えが伝わってきました。

 他にはネイビー(牝、父サトノダイヤモンド)が、来週11月27日の東京・新馬戦(芝1800メートル)に菅原明騎手でスタンバイ。サトノロワ(牡、父ハーツクライ)は、12月11日の中山・新馬戦(芝1800M)へ。こちらはウィズグレイスの半弟という血統ですね。

 19年のジャパンC2着など大舞台で活躍したカレンブーケドールの半妹のフォーカルフラワー(牝、父ロードカナロア)は、新馬勝ちの後、放牧先でも順調に立ち上げられているようで、年内に使うことになりそうです。国枝師は「もうすぐ戻すよ」とのことでした。11月6日の新馬戦を制したレッドロスタム(牡、父ロードカナロア)は、ベゴニア賞(11月27日、東京)に向かいます。初戦は馬体的にも余裕があった印象で、使ったさらに良くなりそうな気がしますね。

 続いては、やはり東京スポーツ杯2歳Sで人気の一角を送り込む武井厩舎です。9月の中京の新馬戦で8馬身差V発進を決めたハーツコンチェルト(牡、父ハーツクライ)は、陣営の期待度の高さが伝わってきます。武井調教師は「(今週の追い切りの)動きはすごいよかったし、順調にきたと思う。優秀ですね。気持ちの面も変わらず、行けと言えば行くし、支持を待てるところとかコントロールが利きます。ホントいい」と、強気でした。濃霧の中での最終追いは、確かに伸びやかなフットワークが目を引きましたし、こちらのハーツ産駒も虎視たんたんです。

 新馬のナスノカンゲツ(牡、父ダイワメジャー、母フリスコベイ)は、きょうだいがブッシュガーデンやナスノダケなど、厩舎ゆかりの血統です。「体力面はいいですが、まだメンタルが競走馬になっていなくて、ウッドチップをかぶったりするとやめてしまう。ポテンシャルはあるし、まともに走ってくれれば」と、課題を指摘しつつ素質を評価していました。こちらは年内デビューを目指して進めています。

 来週の京都2歳S(11月26日、阪神)に向かうサイブレーカー(牡、父Uncle Mo)は、夏以来となりますが、成長が見られるようです。1週前追い切りは、美浦・Wコースで僚馬を追走する形から2馬身遅れてしまいましたが、武井師は「チップは動かない。馬自身はプラス10キロくらいで、力がついてきた。前走以上ではいけますね」と期待を膨らませています。

 7月の福島で新馬勝ちして、前走のアスター賞は5着に敗れたラパンラピッド(牡、父ルーラーシップ、母クードラパン)は、葉牡丹賞(12月3日、中山)へ。「すごくいいですね。デビュー戦の時は息が悪かったが、前走の前から息は普通になって、今回は前向きさも出てきています。息が良くなったことで距離を延ばせて、ドイルさんみたいな積極的な乗り方は合いそう」と、手応えが伝わってきました。

 デビューから4、2着と一歩ずつ前進しているモダナイズクィーン(牝、父Distorted Humor、母Never Grow Old)は、11月27日の東京・未勝利戦(ダート1600M)へ。「行儀は良くなっているし、使うごとに良くなっています」と、今度こそという感じです。

 最後に今週の土曜東京3R・未勝利戦(ダート1600M)を使うニトロジャーニー(牡、父Speightstown、母Twice the Lady)は、デビュー2戦目の砂替わりで変身がありそうとのこと。「5月生まれで、間をあけて体が成長しました。ダートが向かないことはないし、スピードもある。勝ち負けになると思いますよ」と、やはり強気なトーン。エコロドゥネスあたりが骨っぽい相手となりそうですが、注目しておきたい一頭です。

 それでは今日のところはこのへんで。

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