2014年の菊花賞を勝ったトーホウジャッカル(栗東・谷潔厩舎)や、08年の京都大賞典など重賞を3勝したトーホウアラン(栗東・藤原英昭厩舎)など、「トーホウ」を冠した競走馬のオーナー、東豊物産株式会社の高橋照夫(たかはし・てるお)社長が1月17日に亡くなっていたことが2月2日、分かった。89歳。葬儀は1月19日、自宅で家族葬で執り行われた。
トーホウエンペラー(岩手・千葉四美厩舎)が01年の東京大賞典など交流G1を2勝したが、JRAのG1は菊花賞の1勝だった。関係者によると「もう一度クラシックをとりたい」と、コロナ禍前までは北海道に足を運んでいたとのこと。自家生産に力を入れ、繁殖牝馬の購入のため、英国ニューマーケットで開催されるタタソールズのセールにも出向いていた。「セリで買った馬にも期待していた」とのことで、志半ばで天国に旅立った。
トーホウジャッカルで14年の菊花賞を制した酒井学騎手「急なことでびっくりしました。(トーホウジャッカルは)色々あって、3歳春のギリギリのタイミングで谷厩舎に入って来ました。声を掛けていただいて、初めてレースに乗った時は10着でしたが、衝撃を受けて『また乗せてください』と先生(谷調教師)にお願いしました。3走目でしっかり勝って、鞍上を任せていただけるようになりました。G1を勝ってから、社長と直接連絡を取り合って、色々相談しながらやっていました。ジョッキーにとって同じG1でも、やっぱりクラシックはまた違うものですし、その1冠である菊花賞を任せていただいたのは本当にうれしく、ありがたく思います。ジャッカルがしっかり頑張ってくれました。写真集を作られて、わざわざ中京のジョッキールームまで届けていただいたりもしました。唯一のG1馬に乗せていただけて光栄ですし、何よりご冥福をお祈りしたいです」