ホウオウアマゾンが遠征嫌いを克服? “お守り”替わりのプレゼントと陣営の努力が実る日はきっと来る

ホウオウアマゾンに贈られた「安眠祈願」の文字が添えられたステッカー
ホウオウアマゾンに贈られた「安眠祈願」の文字が添えられたステッカー
阪急杯を予定するホウオウアマゾン
阪急杯を予定するホウオウアマゾン

 環境が変わると寝られない。そんな理由で旅行や出張が嫌いな人もいると思いますが、ホウオウアマゾンも遠征が大の苦手だった。そんな記事を目にし、心配したファンからプレゼントが届いたのは昨年5月ごろ。ぐっすり眠るアマゾンの絵に、「安眠祈願」の文字が添えられたステッカー。「ありがたいよね」と池田厩務員は“お守り”として普段、栗東で使用するバイクに貼っている。そんな話を聞いた時、熱心で心優しいファンがいるんだな、と心が温かくなった。

 当日輸送の阪神ではアーリントンCを制し、重賞2着3回、3着1回。3歳で果敢に挑戦したマイルCSでも5着に健闘した。そんな力を示しながら、関東遠征ではNHKマイル9着、東京新聞杯12着と全く結果が出ていなかった。理由は前日輸送。競馬場で普段とは違う馬房で1泊することでイレ込みが激しかった。「一睡もしてなかったんじゃないかな」と池田厩務員。当然、“寝不足”では力を発揮できるはずもない。そんな時、ファンからのプレゼントが届いたという。

 対策を練り2日前の金曜日に輸送した安田記念は、イレ込むことなくレースに臨めたがG1の壁に阻まれ15着。初ダートでいきなりの重賞だった根岸Sも12着に敗れたが、前日輸送でも落ち着いてレースには臨めたという。普段とは違う環境に適応させるため、プール調教を取り入れ工夫を凝らした陣営の努力や、アマゾン自身の経験を経ての精神的な成長。「どっしりとしてきた」と目を細める。まだ結果には結び付いていないが、徐々に苦手を克服しているのは事実。ステッカー効果を検証するすべはないが、ファンの願いもアマゾンに届いたのかも知れない。

 次走は阪急杯(2月26日)を予定。「阪神は“庭”やからね」と力を込める。追うごとに素軽さが増し、追い切りではブリンカーもテストする予定。ここで復活を飾れば、今後は関東でも活躍するアマゾンの姿を見られることにもなりそうだ。

 そのレース当日、池田厩務員は、もう一頭の担当馬・パンサラッサのサウジ遠征に帯同中。矢作厩舎は2月14日現在、JRA通算798勝。「600勝も700勝も自分の担当馬で達成させてもらった。800勝がアマゾンやったらできすぎやね」と海の向こうで朗報を待っている。(中央競馬担当・戸田 和彦)

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