28日の日本ダービーでは、ハーツコンチェルト(牡3歳、美浦・武井亮厩舎、父ハーツクライ)が勝ち馬タスティエーラから首+鼻差の3着に好戦。17年のアドミラブル(3着)以来6年ぶりに、青葉賞経由馬が馬券圏内入りを果たした。
同馬にはJRAでデビューした姉が4頭おり、全て2勝以上を挙げているが、クラシック出走は初めて。全頭を管理してきた武井調教師は「このきょうだいたちはみんな生まれるとすぐに見せてくれて、その中で一番いいと思っていたのがナスノシンフォニーなんだけど、ハーツコンチェルトが生まれて圧倒的に雰囲気が一番いいなと思った」と早くから素質を感じ取っていた。長女で同じハーツクライ産駒のナスノシンフォニーは、2歳時に牡馬相手のG1ホープフルSで5着に善戦。その後、屈腱炎で約1年5か月もの休養を余儀なくされたが、復帰後に2勝をマークした。姉が果たせなかったクラシックの舞台で弟が素晴らしいパフォーマンスを発揮し、トレーナーの期待に応えた。
ハーツコンチェルトは5月と遅生まれでまだ成長力が見込める上、同馬と同じ父ハーツクライ×母の父アンブライドルズソングのスワーヴリチャードはダービー2着から古馬になって大阪杯、ジャパンCを勝利しており、伸びしろはかなり大きいとみる。秋にはさらなる飛躍を遂げ、いずれビッグタイトルを手にするに違いない。
ハーツコンチェルトの一つ下の半弟ソウルアンドジャズ(父ブリックスアンドモルタル)も兄と同じく中京でのデビューを視野に入れている。武井師は「この子もいいですよ。母と同じで芦毛というのもあるけど、顔の感じや大きさが一番お母さんに似ている」と期待を寄せ、さらに「ナスノシンフォニーの子がめちゃくちゃいいんですよ」と声を弾まるのが、昨年生まれたレイデオロの牡馬だ。順調なら来年デビュー予定だが、忘れることのないように、ここに記しておきたい。(松井 中央)