◆マイルCS追い切り(11月15日、栗東トレセン)
第40回マイルCS・G1(19日、京都)の追い切りが15日、東西トレセンで行われた。関東馬のシュネルマイスターはCWコースで伸びやかな走りを見せ、春に続く栗東滞在で万全の態勢。自身の持つJRA・G1記録タイの4連勝がかかるルメールは追い切りに乗らなかったものの、確かな手応えを口にした。
絶好調のルメールに最高の形でバトンをつなぐ。シュネルマイスターが時計以上のスピード感で栗東・CWコースを疾走した。ゴール前で仕掛けられるとスムーズに加速し7ハロン97秒9―11秒8。体を大きく使ったダイナミックなフォームで絶好の仕上がりをアピールした。「三度目の正直になればいいですね」と名畑助手。21年2着、22年5着に終わった悔しさを晴らす時がきた。
鞍上のルメールは菊花賞からJRA・G1騎乗機会3連勝中。今週勝てば自身が18、20年につくった史上最多となる連勝記録(1984年のグレート制導入後)の4に並ぶ。この日は騎乗しなかったが、「今週もチャンスがあると思う」ときっぱり。「いつまでG1を勝ち続けたい?」と聞かれ「有馬記念まで」とリップサービスする“絶口調”ぶりだ。
鞍上の快進撃を万全の態勢でサポートする。今回は4月に勝った読売マイラーズCと同じように栗東での滞在調整。しかし、今回は当週の追い切りの時計が当時の84秒5より3秒近く速い。実は春に安田記念のステップとして地元の関東圏ではなく、関西圏のレースを選択したのもマイルCSを見据えた準備だ。
名畑助手も「前日輸送だった一昨年は2着で、前々日輸送だった昨年が5着。直前まで乗り込んで、ガス抜きできた方がイライラした感じがない。春に結果が出たので秋も踏襲しました」と説明する。事前に栗東調整を行った効果で自然と出た好時計。約7か月前から入念に練られた陣営の策が実るときがきた。
前走の毎日王冠は3着だったが、万全の仕上げで上積みを加えてきた。「前走の最後の脚はめちゃくちゃ速かった。京都コースはいい結果が出ているし、合っていると思う」とルメール。勢いある名手の手綱に導かれ、21年5月のNHKマイルC以来のG1タイトルを戴冠(たいかん)へ機は熟した。(戸田 和彦)
【今週勝てばJCでイクイノックスとG1・5連勝の新記録挑戦】
○…ルメールは今週のマイルCSを勝てば、イクイノックスとのジャパンCで「JRA平地G1騎乗機会5連勝」の新記録に挑むことになる。世界ランク1位に君臨するパートナーに全幅の信頼は揺るがず。1週前追い切りには騎乗しなかったが、「前走は休み明けでフレッシュな状態。2走目でリラックスすれば、2400メートルはちょうどいい」と自信をにじませた。