◆チャンピオンズカップ追い切り(11月29日、栗東トレセン)
第24回チャンピオンズC・G1(12月3日、中京)の出走馬が29日、東西トレセンで最終追い切りを消化した。
一気に砂の女王へ駆け上がる。「マジックマン」の異名を取るモレイラが、抜群の勝負気配をつかんだ。初コンビを組むアイコンテーラーの最終追い切りは、栗東・CWコースでサウザンドスマイル(6歳2勝クラス)を1馬身追走し、4コーナーで馬体を併せると一気にギアチェンジ。ラスト2ハロン目は11秒2の瞬発力で、最後は流す余裕を見せながら6ハロン79秒6の好タイムでまとめた。
鞍上は「グッドフィーリング。不安な点はないし、いい状態でレースができそう。どのジョッキーも『乗りたい』と言う馬だと思う」と賛辞のオンパレード。河内調教師も「(モレイラが)『素質を感じた。ムキムキしているタイプじゃないけど、パワーがある』と言ってくれた」と目を細め、「馬を自在に操る。手の内に入れるのがうまい」と手腕にも期待を寄せた。
素質が開花したのはダートに矛先を向けた8月。転向3走目の前走JBCレディスクラシックで交流G1初制覇と、目覚ましい速度でステップアップしてきた。今秋の来日だけで重賞5勝と好調の鞍上だが、G1は菊花賞とマイルCSの2着が最高。18年エリザベス女王杯以来5年ぶりのJRA・G12勝目へ、「G1は『まだ』というのがキーワード。今週はチャンスがあると思う」と力を込めた。巧みな手綱さばきで、河内調教師に開業以来初のJRA・G1タイトルを贈る。(戸田 和彦)