【有馬記念】ジャスティンパレス、天皇賞・秋でイクイノックスに次ぐ2着 直線グイグイ伸びて能力証明

直線で猛然と脚を伸ばすジャスティンパレス(奥)
直線で猛然と脚を伸ばすジャスティンパレス(奥)

◆第68回有馬記念・G1(12月24日、中山競馬場・芝2500メートル)

 「考察」特別版は、山下優、角田晨の両記者がそれぞれに印象深い前哨戦を取り上げる。

 今年の天皇賞・秋は1分55秒2という驚異的なレコード決着となった。2ハロン目からゴールまで、すべて11秒台という厳しいラップを刻み、前半1000メートルが57秒7、後半が57秒5。逃げるジャックドールに2番手のガイアフォースが早めにプレッシャーをかけたことで、ずっと速い脚が求められる高速ラップが生まれた。

 その中で強さを感じたのが2着のジャスティンパレスだ。昨年の皐月賞(9着)以来となる2000メートル戦で後方から2頭目の位置で追走。本来はもっと前での競馬を予定していたのだろうが、この厳しい流れでは仕方ない。目を見張ったのが大外へ持ち出された直線だ。横山武が一呼吸置いてから追い出したことで脚がたまり、残り400メートルから一気にグイグイ伸びてきた。

 イクイノックスには及ばなかったが、上がり3ハロンは自身最速を更新する33秒7。最後は先に動いたプログノーシスをかわし、2着まで差し込んだ。天皇賞の春秋連覇こそならなかったが、高い能力を示したと言えるパフォーマンスで、流れが向いたからというわけではない。

 ジャパンCをパスし、ここ一本に絞った臨戦過程にも好感が持てる。昨年は7着だったが、当時は秋3戦目で余力が残っていなかった。今年は秋2戦目。昨年よりも力をつけ、どんな競馬でもできるようになってきたのはグランプリで大きな強みになる。(山下 優)

<ウインマリリン、BCフィリー&メアターフで復活の兆し>

 ウインマリリンのBCフィリー&メアターフは復活の兆しを感じさせる一戦だった。道中は行き脚がつかずに後方3番手。しかし、勝負どころで最短距離のインを回ったとはいえ、直線残り1ハロンから目を引く末脚を繰り出した。4着だったが脚いろは2、3着馬と変わらず。着順はポジションの差だけだったと言える。

 中山は21年の日経賞、オールカマーを含め4勝の得意コース。機動力の問われる舞台で同じように内をスムーズに回ることができれば、上位の一角を崩す可能性は十分だ。

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