◆有馬記念追い切り(20日、美浦トレセン)
有馬記念(24日、中山)の追い切りが20日、東西トレセンで行われ、同レース4勝目を狙うクリストフ・ルメール騎手(44)がスターズオンアースに騎乗して素軽い動きを見せた。
有馬4勝目を狙うルメールの笑顔が全てを物語っていたように思う。スターズオンアースはバッチリ仕上がった。美浦のWコース6ハロンを3頭併せの最終追い切り。最後方から進め、全体時計は83秒1。ラストは11秒7と控えめでも、鞍上の手綱は動かないまま、数字以上にシャープに感じる伸び脚で最先着した。
とにかく素軽い。ルメールは「無理しないで乗りました。馬は自分から動いて、直線はすごくいい反応。コンディションは良さそう。とても乗りやすくて、フットワークもいいので中山にも対応できる」と絶好の感触。手綱を離したら、一気に突き抜けるだろう、それぐらいの手応えだった。
この日の現場採点はA評価で、5位にランクイン。文句のつけようのない動きだった14日の1週前追い切りの時点で仕上がっていて、当週は微調整で十分だった。先週は馬なりでラストが11秒4(6ハロンは82秒6)をマークし、楽々と2馬身先着。そのとき騎乗した杉原は「前回は挫石があった後で物足りなさもあったけど、今回はいいですね。体幹がしっかりして、もたれる面も解消している」と上昇気配を口にしていた。
蹄の不安で天皇賞・秋を見送って6か月半ぶりで臨んだジャパンCでイクイノックス、リバティアイランドに続く3着。休み明けの不安がありながらも国内トップクラスを相手に健闘し、一度使われて今回は万全の仕上がり。フランス出身の名手は「2500メートルなら、この馬のスタミナを生かせるし、最後も坂があるので、いい脚を使えると思う」と自信満々だった。
先週まで今年トップのJRA・G1・6勝。昨年のイクイノックスをはじめ、年末のグランプリでも結果を出し続けてきたルメールサンタが、ビッグプレゼントを届ける準備は整ったとみる。(松井 中央)