◆第68回有馬記念・G1(12月24日、中山競馬場・芝2500メートル)
有馬記念(24日、中山)の「考察特別版」はデータ編。山下優記者、角田晨記者がそれぞれの視点で注目したデータを基に、特注馬を導き出した。
有馬記念のデータを考察する。近年の傾向がそうだが、今年も短期免許で来日する外国人騎手の関係もあり、前走からの乗り替わりが11頭いる。過去10年では、「前走からの継続騎乗」が8勝を挙げている。複勝率をみれば乗り替わりも3着以内には来ているが、勝ち切るということになればやはり継続騎乗が強い。
前走がジャパンCから臨んだ馬は勝率が3・8%、連対率が7・7%といまひとつ。これはジャパンCがレベルの高いレースで、中3週では疲れが抜けきれないというのが理由にありそうだ。逆に適度な間隔を取れる天皇賞・秋は勝率16・7%、連対率27・8%。菊花賞も勝率15・4%、連対率30・8%だ。ジャパンCからの臨戦は評価を下げたい。
菊花賞組も悪くないが、天皇賞・秋で4着以内に来た馬は3勝で勝利数、勝率、連対率、複勝率で菊花賞4着以内の馬を上回っている。ということでデータからは天皇賞・秋2着からの参戦となるジャスティンパレスを推したい。
有馬記念は20年クロノジェネシス、21年エフフォーリア、22年イクイノックスと同レースから参戦した馬が目下3連勝中。いずれも秋2戦目というのも共通項で、ジャスティンパレスもこれに該当する。しかも横山武が継続騎乗となるのも心強い。3歳で挑んだ昨年は7着だったが、G1馬となった今年はひと味違う。(山下 優)
ドウデュースも狙い目 上がり最速&阪神2200実績
過去20年の有馬記念で上がり3ハロン最速の馬は勝率30・4%と断然の数字。また、阪神・芝2200メートルとの親和性が高く、宝塚記念で3着以内に入った馬はグレード制導入の1984年以降で延べ27頭が同年の有馬記念でも3着内に入っている。さらに20年2着のサラキア、昨年3着のジェラルディーナは同コースで開催されたエリザベス女王杯で〈2〉《1》着に好走していた。
データからの狙い目はドウデュースだ。阪神・芝2200メートルでの今年の京都記念では、2位に0秒5も差をつける上がり最速34秒0で3馬身半差の圧勝。ダービー馬で東京がいいと思われがちだが、直線に坂のある小回りこそ真に能力を発揮できるベストの条件となる。(角田 晨)