◆第68回有馬記念・G1(12月24日、中山競馬場・芝2500メートル)
中央競馬の暮れの大一番、第68回有馬記念・G1は24日、中山競馬場で行われる。38年ぶりの日本一となった阪神タイガースの岡田彰布監督(66)が今年もグランプリ予想に参戦。こちらも「新星」をテーマにスルーセブンシーズを本命に指名し、相手には穴馬を指名した。
2年連続で予想に参戦した岡田監督は、本命にスルーセブンシーズを指名した。元々、注目していた馬で、21日の枠順抽選も生中継でチェック。「6番までに入ったら断トツだったけど」と迷ったことも明かしつつ「でも、スルーセブンから行くで」と決断した。
理由は状態の良さ。「新聞見てても、すごい調教がええから」。普段もスタメンを迷った場合は打撃練習に目を凝らし、調子を見極める名将らしい采配。「凱旋門賞からやろ? これに合わせて」と一発勝負に目いっぱいで向かう姿勢も評価した。「あと、アレよ」とニヤリ。「ファン投票19位。(ドラフト)1位の下村(海翔)が背番号19やから、何となくな」と縁も後押しした。
例年の予想の軸は枠順だ。「小回りの有馬は内枠」と昨年も内枠中心で馬券を仕留めたが、あえて崩した。「イクイノックスが出たらそんな買い方せえへん。今回は何が来ても高配当、荒れるよ」と、本命不在による異例のレースと判断。野球もセオリーを基本とし、時に大胆に攻める岡田監督が今回は“動く”方を選んだ。
「○を2つに」と対抗も外枠から穴馬のハーパーとプラダリア。△はソールオリエンスとドウデュースにスターズオンアースを加えた。16番は過去3着以内が一度もないと知りながら「15から行くなら一緒に。ルメールがどう乗るか。1周目で4、5番手くらいにつけたら」と期待した。
馬券は馬単と3連単の軸1頭マルチで(1)(5)(11)(14)(16)。6頭の共通点は有馬記念初出走だ。「新しい馬で行こ」と、昨年は馬券に加えたジャスティンパレスなど実力馬も無印。今季の阪神は新しい力が光った。昨季まで0勝の村上がリーグMVPに輝くなど「そういうのもある」と、競馬界も新星の誕生を予感。今年最後の大一番でも勝負勘を発揮する。(安藤 理)
◆岡田監督と競馬 評論家時代は競馬場に足を運ぶことも多く、有馬記念も毎年、馬券を購入している。昨年まで2年連続的中。買い方は柔軟で、ボックスで挑んだ昨年は○(イクイノックス)▲(ボルドグフーシュ)◎(ジェラルディーナ)で3連単を仕留めた。名牝・ジェンティルドンナが有終の美を飾った14年に3連単10万9590円もゲット。今回の◎の父ドリームジャーニーも「好きやったんよ。名前が いいよな」と、同馬が制した09年 の有馬記念も見事に的中したことを明かした。「(本命の鞍上)池添は有馬4勝。一番勝ってるやろ」と、データもバッチリだ。
◆岡田 彰布(おかだ・あきのぶ)1957年11月25日、大阪市生まれ。66歳。北陽、早大を経て79年ドラフト1位で阪神に入団し、80年に新人王。85年は球団初の日本シリーズ制覇に貢献してベストナイン(二塁手)を受賞した。94年にオリックスに移籍し、95年限りで引退。オリックス、阪神の2軍助監督を経て、04年に阪神監督に就任。05年にリーグ優勝を果たす。08年に退任し、10~12年はオリックス監督。監督復帰1年目の今年、阪神を2度目の日本一に導いた。