13日から小倉開催が始まり、今週は3場で3重賞が行われる。14日の日経新春杯・G2(京都)にサトノグランツ、京成杯・G3(中山)にジュンゴールドと有力馬を送り込むのが、友道康夫調教師(60)=栗東=。ここで14年連続となるタイトルをもぎ取り、24年の快進撃につなげていく。
今年も日本競馬を熱くする。現在、18頭ものオープン馬を抱える友道厩舎のG1戦線が今週から始まる。東西の“2頭出し”でまず狙うのは14年連続の重賞制覇。「2頭とも早い段階から、ここを目標にやってきました」と友道調教師は説明した。
日経新春杯のサトノグランツは菊花賞10着後、すぐに年内休養の方針を決めた。「菊花賞を勝っても負けても、次は年明けかなと思っていました。菊花賞の後はダメージがありますしね」。一方、京成杯のジュンゴールドは新馬、紫菊賞と連勝したが、暮れのG1には向かわなかった。「まだ無理をさせなくてもね。G1は力をつけてからでいい」。豊富な経験と冷静な観察眼で、勝負所はまだ先にあると判断した。
23年は序盤から管理馬の故障が続き、3月にはエースのドウデュースまでドバイ遠征後に現地で出走取消となった。8月に還暦を迎えたトレーナーは「実は厄年だったんだよね」と苦笑いで振り返る。しかし、新馬7勝を挙げた2歳勢の活躍などで盛り返し、最後は有馬記念でドウデュースが鮮やかな復活V。「最後の有馬の時に『あっ、今年はG1勝ってないな』と思ったけどね。やはり、勝つと勝たないじゃ違う」。有馬記念でキャリアハイを更新する年間重賞7勝目。終わりよければすべてよし、だった。
勢いも後押しする新たな一年。しかし、シンプルかつ明確な目標は変わらない。「大きなレースに行きたいし、取りたい。特にダービーには行きたいよね」。視線の先に映るのは様々な可能性を秘めた愛馬たち。希望に満ちた一年へ、まずは2頭でスタートダッシュを決める。(山本 武志)