【きさらぎ賞】ビザンチンドリーム、異次元の末脚で初タイトル 最少キャリアタイ2戦2勝でクラシック候補に名乗り

大接戦を制したビザンチンドリーム(手前)
大接戦を制したビザンチンドリーム(手前)

◆第64回きさらぎ賞・G3(2月4日、京都競馬場・芝1800メートル、良)

 第64回きさらぎ賞・G3は4日、4年ぶりに京都で行われ、圧巻の切れ味をみせたビザンチンドリームが1番人気に応えレースレコードで重賞初制覇。最少キャリアタイの2戦目で出世レースを制し、ピーヒュレクと坂口調教師に初のJRA平地重賞をプレゼントした。

 絶望的な位置から驚異の末脚で他馬をぶっこ抜いた。馬群の最後方で直線を迎えたビザンチンドリーム。そこからが“異次元”だった。ラスト1ハロン付近でギアが入ると一完歩ずつグイグイと前との差を詰め、ゴール寸前で3頭が横一線に。だが鼻、鼻、首の接戦を差し切って制し、重いとされる今年の京都の馬場で、16年サトノダイヤモンドの1分46秒9を0秒1上回るレースレコードをたたき出した。

 あまりの接戦に「負けたと思った」とピーヒュレクと坂口調教師は、同じ言葉を口走ったが、さらに鞍上は続けて「この結果に驚いている」。21年の凱旋門賞(トルカータータッソ)を制した名手も震える豪脚は、上がり3ハロン33秒7。今年の京都開催の芝1600メートル以上で33秒台の脚を使ったのは、4歳以上の3頭だけだったが、新馬戦の上がり3ハロンで次位に0秒9差をつけた切れ味を、ここでも再現した。

 平地のJRA重賞初制覇を飾った坂口調教師は「瞬発力、脚力がありますし根性、闘争心もありますね」とストロングポイントを強調した。「心身ともに幼い。ゲートもあんな感じ(で遅い)ですし」と課題も口にしたが、それだけ伸びしろがあることの裏返しでもある。

 次走は未定だが、春のクラシックロードに向け賞金加算にも成功。短期免許で来日中のピーヒュレクには重賞初タイトルをプレゼントした。スペシャルウィーク、ネオユニヴァース、サトノダイヤモンドなど13頭のクラシックホースを輩出している出世レースを、史上2頭目となる最少キャリア2戦目で制したビザンチンドリームの“夢”は膨らむばかりだ。(戸田 和彦)

 ◆ビザンチンドリーム 父エピファネイア、母ジャポニカーラ(父ジャングルポケット)。栗東・坂口智康厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は2戦2勝。総獲得賞金は4862万円。重賞初勝利。馬主は吉田和美氏。

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