【フェブラリーS】22年ぶり無敗の南関東3冠馬が「挑戦」する偉業とは 渡辺和雄調教師も東京コースに好印象

仕切り直しで偉業に挑むミックファイア
仕切り直しで偉業に挑むミックファイア

◆第41回フェブラリーS・G1(2月18日、東京競馬場・ダート1600メートル)

 今年最初のG1、第41回フェブラリーS(18日、東京)に地方所属の3頭が参戦。主役不在のなか、1999年に制したメイセイオペラ以来、四半世紀ぶりの戴冠(たいかん)に挑む精鋭を3回連載で取り上げる。初回は昨年、無敗で南関東3冠を達成したミックファイア(牡4歳、大井・渡辺和雄厩舎)。

 トーシンブリザード以来、22年ぶりの無敗の南関東3冠馬ミックファイア。これまで、ホームコースの大井でJRA勢を迎え打つ形だったが、今回は初めて敵陣に乗り込む。

 このチャレンジのきっかけは、前走の東京大賞典・G1での8着大敗。「負けて気が楽になった面はある。だから、24年は挑戦の年。フェブラリーSの参戦も、そのひとつ」と渡辺和雄調教師。

 もちろん、無策でJRAに殴り込むわけではない。前走は「ジャンプスタートなうえ、直後に前を横切られた」と展開面の不利、さらにコースの変化も敗因のひとつに挙げた。大井競馬場は10月29日の開催からオーストラリア産の砂を導入。砂厚は従来の8センチから10センチへとパワーを要する馬場に。「羽田盃、東京ダービーをレコードで制した。スピードタイプのこの馬には、厳しい馬場だったと思う」と振り返る。

 そこで、本来の持ち味を生かす舞台として選んだのが東京の1600メートル戦だった。「今の大井と比べれば砂は軽く、芝スタートも向いている」。また「東京大賞典を見て、あのクラスの馬と戦うには、やはり一段も二段も力をつけなくては」と年明けから攻めを強化。1月19日は重賞4勝のセイカメテオポリスと併せ、31日は3頭併せを実施。今月4日は単走だが、大井・ダートコースで5ハロン64秒0―3ハロン50秒1―1ハロン12秒0の好タイムを叩き出した。

 ここまで5本の時計を出しており、14日の最終追い切りは、デビュー2連勝以来のコンビとなる、矢野貴之騎手が騎乗する予定だ。同騎手は04年に廃止となった高崎競馬出身。渡辺和師の父も、高崎競馬場の調教師だった和泰氏。「チーム高崎」で歴史を塗り替える戦いに挑む。(志賀 浩子)

 ◆1999年のフェブラリーS 単勝10倍以下が6頭という混戦のなか、岩手所属のメイセイオペラは2番人気。菅原勲騎手が騎乗して道中は5番手で進め、直線で抜け出して2馬身差をつける完勝だった。2着が7番人気エムアイブラン、3着は4番人気タイキシャーロック。1番人気のワシントンカラーは6着に敗れた。

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