西日本交流レース第16回兵庫ユースカップが22日、姫路競馬場のダート1400メートルで8頭(地元6、高知2)によって争われ、2番人気のリケアサブルが4コーナー手前で先頭に立つと同じく高知のワンウォリアーの追撃を振り切って重賞初制覇。騎乗していた吉原寛人騎手(40)は現存する地方競馬の全競馬場(ばんえい除く)で重賞制覇という快挙を成し遂げた。
高知屈指の実力馬リケアサブルがその力を存分に見せつけた。地元のクラウドノイズとダイジョバナイの2頭が主導権争いを繰り広げる中、判断よく吉原は3番手を確保。4コーナー手前で持ったままで先頭に並びかけると同じく遠征馬のワンウォリアーをまったく寄せ付けなかった。
主戦の赤岡がNARグランプリ表彰式に出席するために代打騎乗となった吉原だが、テン乗りで持ち味を存分に引き出したあたり優勝請負人の面目躍如だ。「背中の感じがよく自信を持って臨めた。今後は高知のもう1頭の強い馬(プリフロオールイン)との戦いとなるが、この馬もまだまだ成長するはず」とさらなる活躍を予言した。
この勝利で吉原は、ばんえい競馬を除く、地方競馬14場で重賞を制覇という前人未到の記録を打ち立てた。今年、姫路で行われる重賞はこれが最後。背水の陣で挑み、見事に決めた。「記念の日になった」と誇らしげに胸を張った。(蔵田 成樹)