今月で引退の岡田一男調教師が有終V
南関東牝馬クラシックの第70回桜花賞・S1は3月27日、浦和競馬場で3歳牝馬12頭が1500メートルを争った。3番人気のプリンセスアリー(森泰斗)が直線で抜け出し、パペッティアに1馬身差をつけて優勝。今月31日付で引退する岡田一男調教師(76)に初のS1タイトルをもたらした。3着ミチノアンジュまでに東京プリンセス賞・S1(4月25日、大井)への優先出走権が与えられた。
現役最後の重賞にプリンセスアリーで挑んだ岡田一男調教師。桜の舞台と4枠4番に入った愛馬を意識したピンクのワイシャツと青のネクタイでレースを見守った。
前走のユングフラウ賞は4着。トレーナーからのリクエストは前走より前の位置にと言うもの。鞍上の森泰斗はそれに応えるだけでなく、終始逃げるミチノアンジュを射程に入れたレースを展開。直線外から豪快に伸び、先頭でゴールに飛び込んだ。
森は「若手の頃から岡田先生にはお世話になっていた。先生の最後の重賞で勝てるなんてドラマみたい」と大感激。岡田一調教師も「泰斗くんの好騎乗。びっくりした。3、4コーナーで余裕があったが、まさか外に持ち出して勝つなんて」。約60年の競馬人生の最後に大一番を制し、驚きを隠さなかった。
南関東牝馬クラシック初戦を制したプリンセスアリー。次走は新たな厩舎のもとで2冠目の東京プリンセス賞を狙う模様。