4月10日に藤岡康太騎手(享年35)が亡くなっていたことが翌日11日に発表され、友道康夫調教師が12日、故人をしのんだ。この日、栗東トレセンで取材に応じ、「厳しいとは聞いていたけど、現実となると信じられません。残念というか悔しい」と唇をかみしめた。
藤岡康騎手と友道調教師の管理馬での重賞挑戦は、父の藤岡厩舎の50戦に次ぐ33戦で、3勝はトップタイ。なかでも16年のダービー馬・マカヒキが約5年1か月ぶりに勝利した21年京都大賞典は印象深い。「マカヒキもそうだけど、うちの馬にほとんど乗ってくれていた。ワグネリアン(の18年神戸新聞杯)は代打で結果を出してくれて、仕事もしっかりしてくれた」とトレーナーは振り返った。
調教から携わり、“チーム”の一員として貢献してきたという。「調教技術があって、うまく乗ってくれていたし感想も的確に返ってくる。競馬だけじゃなくうちの厩舎に貢献してくれた」と感謝。「(昨年のマイルCSを)ナミュールで勝った時はうちの厩舎じゃない馬で初めて『康太!』って声が出た」と絆の深さを感じさせた。
「うちの厩舎の馬で(G1を)勝ちたいと言ってくれていた。一緒にG1をと思っていたんだけど…」と最後まで無念さをにじませていた。