【ヴィクトリアM】デビュー4年目騎手がフィールシンパシーとG1初挑戦Vへ 東京マイルが「一番合っている」

人馬ともにG1初挑戦の横山琉とフィールシンパシー(カメラ・荒牧 徹)
人馬ともにG1初挑戦の横山琉とフィールシンパシー(カメラ・荒牧 徹)

◆第19回ヴィクトリアマイル・G1(5月12日、東京・芝1600メートル)

 第19回ヴィクトリアマイル(12日、東京・芝1600メートル)で、デビュー4年目の横山琉人騎手(21)=美浦・相沢厩舎=がフィールシンパシーで史上3人目のJRA・G1初騎乗Vに挑む。ほぼすべてで手綱を執る“お手馬”で「一番合う」という舞台で一発を狙う。

 デビュー4年目の若武者が初めてG1の舞台に立つ。横山琉はついに挑む大舞台へ向け「普段のレースとはもちろん歓声も違うと思うし、どんな感じか味わえるというのが楽しみ」と未体験の世界を前に胸を躍らせる。

 自身はこれまで重賞には8度騎乗してきた。昨年のターコイズS、前走の福島牝馬Sと2着2回がフィールシンパシーとのものだけに、今回に懸ける思いは強い。「同期がG1に乗っていて、後輩も乗っています。時間はかかったと思いますが、重賞を勝っていない僕に乗せていただくチャンスをもらえるのは本当に感謝しかない」とバックアップに頭が下がる思いだ。

 父の義行元騎手は、JG13勝の名障害ジョッキーだった。障害は特に馬との信頼関係が大切だが、フィールシンパシーには19戦中17戦に騎乗。4勝全てを挙げ、特徴を知り尽くしている。今回は紅葉S(3勝クラス)を勝って以来、5戦ぶりとなる東京のマイル戦。「一番合っている条件じゃないかと思うし、能力を発揮できればそんなに差はないと思う」と自信をのぞかせ、「こうしてずっと乗ってきた馬でG1に乗れるのはうれしい」と笑顔を浮かべた。

 これまでJRA通算69勝。ブービー人気を2度勝利に導くなど、大胆な手綱さばきで強心臓ぶりを見せつけてきた。「普段から緊張はしない方だ」と話す21歳は「1着を目指して頑張りたいし、何とか結果で恩返しできるようにという気持ちは強い」ときっぱり。つくり上げてきた人馬の絆を、大観衆の前で存分に披露するつもりだ。(石行 佑介)

 ◆横山 琉人(よこやま・りゅうと)2003年1月8日生まれ。茨城県出身。美浦・相沢厩舎所属の21歳。21年4月10日にノアファンタジーで初勝利。22年根岸S(トップウイナー15着)で重賞初騎乗。趣味はネットフリックスなど動画を見ること。JRA通算69勝。17年に引退した父の義行元騎手は障害重賞11勝、中山グランドJ(ゴーカイ)などJG13勝を挙げた。

 ○…フィールシンパシーは全休日明けの7日は美浦・Wコースと坂路で調整し、8日の最終追い切りに備えた。小島調教師は「もうちょっと(状態を)上げられるのではないかと思っています。充実してきたし前走でいい競馬も見せてくれたので、それなりに楽しみは持っていけます」と期待した。

 ◆騎手のG1初挑戦V JRA所属の騎手は2人。グレード制を導入した1984年以降、3年目の熊沢重文(当時20歳)が88年オークスをコスモドリーム(10番人気)でV。2年目の江田照男(当時19歳)が、91年天皇賞・秋をプレクラスニー(3番人気)で制した。

 ◆デビュー4年目までの騎手の平地G1成績 4年目は永野(23年天皇賞・春=エンドロール7着)、松本(23年高松宮記念=ディヴィナシオン14着)、永島(23年阪神JF=スウィープフィート7着)、小沢(22年高松宮記念=ダイメイフジ18着)が騎乗。3年目以下では角田河(4度騎乗し最高成績は23年スプリンターズS=エイシンスポッター11着)、佐々木(23年ホープフルS=インザモーメント8着)、今村(2度騎乗し最高成績は23年ホープフルS=ホルトバージ11着)、田口(2度騎乗し最高成績は24年天皇賞・春=ゴールドプリンセス9着)。

 ◆デビュー4年目のJRA騎手 角田和(93勝、栗東・角田厩舎)、永島(92勝、栗東・高橋康厩舎)、永野(91勝、美浦・伊藤圭厩舎)、小沢(80勝、栗東・フリー)、松本(64勝、栗東・森秀厩舎)、古川奈(45勝、栗東・矢作厩舎)。

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